参照HP⇒ http://www.erareplicas.com/gt/gt.htm http://www.gt40.org.uk/ http://216.122.28.178/home/GT40/default.htm http://mypage.direct.ca/f/fenton/ |
〔続・見果てぬ夢〕 |
TVの「お宝鑑定番組」が人気を集めている.他人様のお宝を見ても,たいして面白くはなかろうとも思うのだが,次は自分の番だ…と考える人が多いのだろうか?某局としては珍しい長寿番組だ. まず現実にはなりそうも無い,白昼夢の如き望みを"見果てぬ夢"と呼んでいる(出所は『ラ・マンチャの男』による).ごく僅かしか造られず,裕福なコレクターがガッチリ抱え込んでいる名車を手に入れる事等は,その好例だろう. (←1933年のライレー・ナイン・スペシャル.正しく“お宝”もの!) |
FordGT40は,60年代に活躍した耐久競技用車の傑作だが,当然の事ながら絶対数が少ない.仮にジャンボ宝くじが当たっても,手に入れるチャンスはまず無い. 一方,それ以降の同種のクルマと違ってGT40は実用性が高いから,欲しがっている人は多い.そんなマニアの為に,複数の組織(メーカーと言うには手工業的過ぎる)がレプリカを造っている. Internet上にも,その内のいくつかがHPを持っているが,中でも内容が具体的で,眺めているだけで楽しいのが,"E,R,A,GT"だ.特別GT40に詳しいワケではないのだが,“E,R,A,GT”はこの種のレプリカとしてはかなりオリジナルに近いようだ.諸事情に合わせる為,本来の純粋さをスポイルしているレプリカも結構多い. (写真→’69年のLeMans24hを制したGT40#1075) |
"E.R.A.GT"が造られているのは米国で,同国ではGT40の人気が相変わらず高い為だ.何処かの国と違って,馬鹿気た車検制度が無い事も関係がある. もちろんそれなりの保険に入らなければマズイらしいが,官権が勝手な規制でクルマ造りを阻害している国とは,事情が大分違うようだ.欧州でもこの手のレプリカ製造は盛んだから,某国だけ事情が特殊なのだろう. |
GT40は,2本の太い(一抱えサイズ)チューブを左右に配し,それをクロスメンバーで結ぶ構造だ.白紙から設計されたから,足回り等は当時の純競技用車の典型で,量産車では不可能な手作り的要素が非常に強い.(図↑ERAのメインシャーシ) 例えば,リア・サスペンションの構成図を見ても,ボディで隠してしまうのが惜しいような凝った造りだ.最近のハイテク素材を駆使したクルマでは,こんな手の込んだ手法は採られていない.新素材では,もっと単簡な構成が可能だが,面白みは希薄だ. (図→↓ERAのサスペンション構成) |
通常,この会社で販売しているのは,"StandardKit"で,価格は49,900j.以外に廉いナ…と思われるだろうが,これは飽くまでクルマを造る為に必要な主要部品代だ.そう,これはKitCarなので,自分で組立てなければならない! しかも,エンジン,ミッションはもちろん,ダンパー/スプリング,ブレーキ,ステアリング等の細々した主要部品の殆どが「別途調達」なのだ. |
つまり,町工場レベルで造れるシャーシ/足回り/ボディだけは用意します,というワケだ.ちなみにエンジンは6,000〜25,000j,ミッションは2,500〜8,000j,その他の部品代,オプションが40〜3,000j単位で数十点並んでいる. もちろん,コンプリートカー(完成車→)も造ってくれる.110,000jと案外廉価に思えるが,これとて細かいオプションを加えて好みの仕様にすると(しないとサマにならない!),恐らく30%ぐらいはオーバーするだろう.日本で乗ろうと思ったら,車検を通すためにン百万円?程度はかかるらしいので,伊国製超高級車並みの価格になる. |
置く場所や維持費(庭先やマンションの駐車場,というワケには行かないでしょう?ちゃんとした代理店など無いから,英語でややこしい話をこなせる能力だけは必要だ)を考えると,“普通の人々”には,やはり手が届きそうもない存在だ. だからこそ"見果てぬ夢"なのだが…「いっそ,なにかワルイ事をやってみようか?」等と思ってみたりもする,今日このごろ…なのだ. (stupidcat) |
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▲公道仕様左シフトGT40Mk.Vのコクピット ●オリジナルのGT40(上・右も同じ) ▼正面は回転計で,左端が速度計! |
▼競技仕様車のシフトレバー位置に注意! |
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