胴体を作る−2−

垂直尾翼の取り付けとディサマの仕掛け



写真は垂直尾翼とノーズ(左側)部分のディサマの仕掛けを取り付けた状態です。
全体の感じをつかんで下さい。


1.垂直尾翼の取り付け


テールの最後尾を10mmカットして垂直尾翼を取り付けます。(赤矢印)これは特に意味はなく、見た目のデザインだけですから、最後尾ピッタリでも問題ありません。

ポイント
胴体と垂直尾翼が曲がって接着しないように以下の様にして接着します。

(1)垂直尾翼より少し大きいおおきさの厚紙(はがき2枚程度の厚さのもの)を用意する。
(2)厚紙を平らな作業台の上に載せ、その上に胴体取り付け側が3〜4mmはみ出す様に垂直尾翼を載せる。
(3)胴体を垂直尾翼にピッタリ接触させ、手の指でしっかり固定する。
(4)瞬間接着剤を1滴たらす。
(5)20〜30秒間固定したら、手を離し後は空中で瞬間接着剤をしっかりと付けておく。

これで、胴体の厚みの中心に、曲がらずに、垂直尾翼を取り付けることができます。

接着剤が完全に固まったら、500番と1000番の紙やすりでバリをきれいにとっておきます。

2.ノーズのディサマの仕掛け

ディサマ:
フリーフライト模型飛行機は操縦という行為がないので、飛行中に上昇気流に遭遇するとどんどん上昇しやがて、 視界から消えてしまいます。いわゆる、風にのるというやつです。
この上昇気流のことをテルミックとかサーマルと呼びます。

サーマルにのった飛行機をサーマルの中から降下させる装置(仕掛け)のことを、ディサマといいます。(ディ・サーマライザ:略してディサマ)

ディサマについては別の項で説明しますので、ここではノーズの仕掛けを作るのに必要な説明にとどめます。

今回のディサマ装置(装置と言うほど大袈裟なのもではありませんが)はタイマに火縄を使い、 火縄の熱でノーズにセットされた、テールに糸で接続されたバランス用のおもりをとめている輪ゴムを切り、 おもりが糸でテールにぶら下がることによって飛行バランスを失い、機体が降下するタイプのものです。




写真は右効きの人用のノーズのディサマの仕掛けです。左効きの人は左右を逆にします。(ディサマをセットする作業がやりやすい。)

手前側:火縄の落下防止のためアルミの筒(写真のA部),火縄の熱で胴体が焦げないように保護するアルミ板(写真のB部)が見える。

向こう側:重心調整用おもりをセットするための桧のノーズブロックが見えます。


上側:ヒューズ用輪ゴムを引っ掛けるためのピンです。(写真のC部)

上側:おもりをテールにぶら下げるための糸(ディサマライン)を引っ掛けるためのピンです。(写真のD部)


材料:アルミの筒(写真のA部)及びアルミ板(写真のB部)はビールのアルミ缶です。

アルミの筒は缶から切り出したアルミをドライバー等の丸い棒に巻き付けて直径4mm,長さ10mm位の筒を作ります。

アルミ板は長さ35mm,幅15mmのものを缶から切り出し、胴体のノーズラインに合わせて整形します。

ピン(写真のC部,写真のD部)は極普通の虫ピンです。瞬間接着剤等についてくるピンでもOKです。


作り方:

(1)ノーズブロック:主翼材の残りのバルサ(5mm厚)と胴体用の残りの桧(3mm厚)を使い、 それぞれ長さ10mm×高さ15mmのキャラメル状の木目が横のブロック作ります。

桧はおもりをセットする側に、バルサは火縄をセットする側に瞬間接着剤で胴体のノーズの先端に接着します。
この時の木目は桧もバルサも横方向(胴体の木目方向と同じ)です。ブロックの方がノーズ先端より大きいのではみ出した感じで接着することになります。

(2)アルミ板:焦げ防止用のアルミ板を瞬間接着剤で胴体ノーズに接着します。
アルミ板はよく伸ばしアルミ缶の曲をとり、平らにしておきます。アルミ板の先端側を(1)で接着したバルサに突き当て、接着する位置を決めたら、鉛筆等で軽くマーキングします。

あらかじめ、主翼の上反角を付ける時に使用したものと同じビニール袋を用意しておき、マーキングした内側に瞬間接着剤を軽くのばしながら手早くつけアルミ板を乗せ、ビニール袋を手に被せて押さえつけます。

(3)アルミ筒:直径4mm長さ10mmのアルミ筒を多少指でつまんで6mm位の楕円にして、バリ等を取っておきます。これをバルサのブロックに半分位埋める様に横方向から突き刺します。

1回で決めようと力を入れるとバルサブロックが割れてしまいますので、何回かに分けて徐々に半分埋め込みます。
位置が決まったら瞬間接着剤をバルサブロックとアルミ筒の隙間に流し込みます。

(4)整形:ここで、少し瞬間接着剤の固まるのを待ちます。
充分に固まったところで、小刀あるいはカッターナイフを使って胴体のノーズのラインに沿ってノーズブロックのはみ出した部分を削っていきます。

ブロックが割れないように少しづつ、特に桧のブロックは少しづつ削ります。

胴体のノーズのラインと一致させたところで、胴体ごと更に先端を丸くやや尖らせます。先端を鋭く尖らせるのは危険ですので、考え物です。

そして、ノーズブロックの横(桧とバルサ側)を先端のラインになじむ様に削ります。
さらに、500番と1000番の紙やすりを使って仕上げます。

(5)硬くする:仕上げたノーズブロックに瞬間接着剤を染みみ込ませます。バルサブロックにはたっぷりと染み込ませます。
固まったら紙やすりでサンディングします。3回程繰り返すとピカピカの硬いノーズが出来上がりです。

(6)ピンをうつ:上側の輪ゴムを引っ掛けるピンはノーズ先端から20mm位の位置に、ディサマラインを引っ掛けるピンはノーズの先端から40mm位の位置です。

上側のピンはおもりをしっかり輪ゴムで止められる位置に、下側のピンはおもりの幅より充分後(幅の1.5倍以上)になる様にします。

これは、力一杯投げ上げた時におもりがずれないようにするためと、ディサマの輪ゴムが熱で切れた時におもりが容易に外れる様にするためです。

ピンは「打つ」のではなく、ピンをペンチ等で挟んで胴体に「押し込む」ようにします。ぴんは5mm以上胴体にうち込みます。
上側のピンは2mm位,下側のピンは1.5mm位出してニッパやペンチで切断します。切り口をやすりで軽くなで、丸くします。

ピンをうったところに瞬間接着剤を1滴づつ滴らして完成です。



補足: 後の作業(補強のところ)で、ノーズ部分にエポキシ接着剤をぬり、更にノーズを強固に、滑らかにします。



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