Launchers ランチャーズ会報2003年6/6号

●2002年記録会は12月21日(日)大宮田んぼ(9:00〜12:00)
  2004年記録会は1月18日(日)大宮田んぼ(9:00〜12:00)です!

  今年も、はや最終号です。今夏は天候不順で精神的に不満が残ったまま終わってしまい
  ました。しかし、秋になってFFシーズンが始まると、みんな例年と変わらず元気に
  やっています。
  最近、新メンバーが増えて本物かどうか解りませんが、ランチャーズも3度目の世代交
  代の模様です。そのせいで名前を覚えるのに時間がかかるようになりました。しかし、
  若返っているのでしょうかねー、50歳以下は若手とするとそうなるか。
  他グループでも昨年1昨年あたりから少しづつではありますが変化が見られ、年齢的に
  はともかくも雰囲気が変わりつつあるようにも思います。古参兵は加齢が進みながらも
  何とか、化石や伝説にならないよう努力したいと思っています。ロッシーニじゃありま
  せんが「老いの過ち」とか「老いのなぐさめ」等の作品を残しながら、FF界の片隅で
  ごそごそやっていきましょう。そろそろ変わらねゃーねぇー。いずれは「グランドシニ
  ア大会」を企画して「先輩に頑張って貰いたい」等と言われたりして・・・。
  いやですね−。

 記録報告
   @2003年10月記録会/CLG     A2003年10月記録会/HLG、
   B2003年11月記録会/HLG     C2003年11月記録会/CLG  
   DFF日本選手権報告                 E国際級ジュニア競技会報告

 お知らせ
   F初飛ばし                 G湘南大会案内
   H寒中杯案内               I板倉大会案内

 FFサロン
   JUHLGの姿勢制御装置   KF1Bの取得高度について

◆2003年10月記録会の結果(HLG/CLG)                     

10月HLG記録会報告                               1.相沢、2.平尾・・・・A
  FF真っ盛りの10月になって大宮田んぼは大盛況。ランチャーズが記録会をやる周辺
  は、大混乱です。次回からは、車は「投げる広場」を外して留めましょう。でないとH
  LGを飛ばすにも狭いし(今回はそのせいで記録が伸びなかった・・・)、又他の方々
  に迷惑です。田んぼ1枚分は空けて、台数を散らして留めることを守りましょう。この
  日は見学を入れて総勢35名弱の大人数が集まって、長年やってきていても、少し怖くな
  る多さでした。暴徒・ランチャーズ等と言う言葉が浮かんだりして・・・。
  さて、本題に入って
  好好天、田んぼの状態も良く風もまずまず、新潟と福島からの参加者もあって22名の
  大所帯で、まさに大会気分。ドタドタと走ったり、「ドイテドイテ」の大声を上げたり、
  やたらと地面にHLGを投げる人がいたりして、年寄りも一緒に元気いっぱい。機体も
  様々で、翼端投げ→UHLG→振投げ→円盤投げが増えて、総勢のおおよそ1/3にな
  りました。しかしフライオフに残ったのはオーバーハンドの大八木、吉田、小川の3選
  手でした。
  3人でのフライオフは割とあっさり決まって、優勝は先月と連勝の大八木選手でした。
  この所フライオフには弱い吉田さんが30/35で2位、又小川選手も以外と弱気で2
  5/29と3位に甘んじました。5連続maxの後だけに惜しい、精神訓練士に付いて
  勉強しましょう。現在の大八木選手の高度は素晴らしくダントツ。高度では無敵だった
  加藤選手もタジタジです。吉田選手は疲れ気味なのか執念が見えない。小川選手はギタ
  ギタドロドロした物を身に付けましょう。
  4、5位は297秒の同点で春山、池田の両選手でこれもフライオフになりました。結
  果は円盤投げの春山さんが90秒maxで4位、5位はフライオフで64秒を出した池
  田選手となりました。円盤投げ選手の中では、春山選手の安定性は抜群で優勝も間近で
  しょう。
  6位菅野選手は4amxまで行きながら6秒落ちの294秒、7位はこれも4maxな
  がら292秒の円盤投げの吉敷選手。こう言うのは終わってみると悔しいものですが、
  あと少しの根性があれば行けるんですがねー。8位は271秒の過去の剛腕・加藤選手。
  9位は福島二本松で頑張っている阿部選手の264秒、この日は見学者同伴で来てくれ
  て有り難う。
  とここまでが250秒以上でした。その他では、新潟の細海、笠井選手はなかなかの「
  円盤投げ使い」でしたが記録はもう一つ伸びず、但し、関東勢の毒気(関西出身が煽る
  のがイカン)にあてられたとすれば、まだまだ甘い、心を強くせねば・・・・。
  新人では神保、梅津両選手が登場、記録はそれぞれ151秒と216秒は立派なもので
  す。昔は250秒以上をAクラス、200秒以上をBクラス、それ以下をCクラスとし
  ていましたが、この日は200秒以上が15名/22名と激戦でした。円盤投げHLG
  は現在2派があり、1つは吉敷タイプ(多段上反角で翼弦が狭い)、他はスタンダード
  とでも言うのでしょうか、一般的なHLGのタイプです。現在は吉敷タイプが一歩前で
  すが、注目は相沢機、翼弦の小さい方形翼のロングスパン機ですが、調整しだいで優勝
  がねらえそう・・・・。元祖・石井機が今後どう出てくるか、或いはまとまらないのど
  うか。
  この日の様子を見ていると、いよいよ孫が実力を付けて来たようです。初代ランチャー
  ズは「お爺さん」2代目が「お父さん」になるのですかねー。

10月HLG記録・大宮田んぼ、  晴天・31℃  風北東1〜2m/s、60秒max         
NO  氏  名  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  合計  F1  F2  合 計  
 1  大八木  34  60  28  60  58  46  60  60  43  60  300   59       359  
 2  吉  田  29  60  31  60  43  60  60  60   -   -  300   35/30    335  
 3  小  川  37  35  60  60  60  60  60   -   -   -  300   25/29    329  
 4  春  山  25  57  53  43  60  60  60  39  56  60  297   90       297  
 5  池  田  12  55  57  60  60  60  60  36  39  27  297   64/5     297  
 6  菅  野  60  60  37  44  60  54  60  33  24   -  294
 7  吉  敷  60  39  60  52  60  32  60  47  43  20  292
 8  加  藤  30  36  55  36  60  60  60  31  26   -  271
 9  阿  部  47  60  30  34  60  50  10  47  17  47  264
10  川  口  32  43  32  25  54  60  42  27  47  41  246
11  斉藤パ  47  35  42  34  31  12  60  55  36  32  240
12  吉  野  37  38  22  36  42  35  23  39  40  60  219
13  梅  津  30  32  03  27  60  02  20  34  60   -  216
14  細  海  22  25  34  32  40  37  30  30  60   -  203
15  斉藤光  53  36  16  28  25  43  42   -   -   -  202
16  相  沢  21  19  18  17  21  60  29  20  40  40  190
17  平  尾  44  26  25  26  22  28  31  40  31  42  188
18  井  村  51  33  48  51   -   -   -   -   -   -  183
19  笠  井  16  03  10  12  46  45  33  22   -   -  162
20  神  保  19  15  09  18  15  29  03  14  25  60  151
21  古  矢  22  27  30  30  06  11  12  13  13  20  129
22  大  島  46  13  09  23  09   -   -   -   -   -  100

10月CLG記録会報告                                         佐藤・・・・@
  今日は最高のコンデイションの快晴に恵まれ、気持ちの良い記録会になりました。
  優勝は久し振りに倉田号(倉田さん)で5maxの300秒、2位はトレーナーで記録
  をコンスタントに伸ばして河田さん(283秒)、3位はハンドランチと掛持ち参加の
  川口さん(240秒)、4位は前回優勝の鈴木さん(238秒)、5位はエンテの佐藤
  で224秒、6位は練習熱心な乙川さん(221秒)、7位以下は省略。

  追記:平尾さんから提案のあったCLG(パチンコゴムの1g)のゴムの件は、5月〜
        8月の4ヶ月とみ採用したらどうかと思います(今日参加者の意見)。
        注:現ルールは2g以下
  追記の追記:パチンコは競技会用としては、調整に2葉の考え方があります。1つは無
        駄なく一直線に上昇し、高々度を取り見事に滑空入れるパターン、しかし、ヒュ
        ーストンが間々ある。
        2つ目は螺旋上昇に近く、高度はやや落ちるが滑空に入る確率が100%に近く
        稼働率が良いタイプでしょう。石井モデルは前者、倉田機は後者です。公園で飛
        ばす場合は草レースに近いので、芸の多い飛び方が受けますが、競技となるとギ
        ンギラギンの石井モデルに目移りしますが、あなたはどちら・・・。
        その他には無尾翼機とか前尾翼機などありますが、純粋競技機としては人気がない。
        欧米では日本よりは変な飛行機が多いのも楽しみ方の問題ですかね。

10月PLG記録  グリーンパーク、晴天、31℃  風北東1〜2m/s   10投中5投の合計  60秒MAX
順位 選  手    R1  R2  R3  R4  R5  R6  R7  R8  R9  R10   合計 備考
 1   倉  田    40  24  60  42  60  60  44  60  60   -    300
 2   河  田    43  06  43  33  60  60  27  36  60  60    283
 3   川  口    47  46  29  31  56  60   -   -   -   -    240
 4   鈴  木    19  31  49  26  38  60  60  23  24  19    238
 5   佐  藤    37  35  23  34  18  19  20  60  36  56    224
 6   乙  川    31  23  60  58  41  19  31  07  08  31    221
 7   西  原    40  60  60  09  36   -   -   -   -   -    205
 8   加  藤    08  26  26  13  60  46  42  34  19  25    202
 9  大久保     60  60  19  14  19  06  15  17  29  30    198


◆2003年11月記録会の結果(HLG/CLG)

11月CLG記録会報告                                        佐藤・・・・B
  快晴に恵まれ比較的良いコンデイションでした。フライオフの末、常勝の石井さんが優
  勝、2位に後半に石井さんのアドバイスが効いて善戦した河田さん。3位は練習熱心な
  乙川さん、4位はファイトマンの戸谷さん、5位はトレーナーの鈴木さんでしたが、発
  航時のゴムの引張り不足(ゴムの量不足)で残念でした。以下省略。

  追記:石井さんの久し振りの登場で、談話が弾んだのと同時に、叱咤激励が効いてか2
        00秒以上が6名。フライオフは珍しい同タイム297秒同士の戦いでした。
        フライオフの記録も90秒対79秒と立派なもの。こちらの記録を見るとmax
        が少ないので、気流読みが難しかったと言う私の説が正しかったのかな・・・・・。
        石井さんがこの日力説していた「気流に揉まれると小型機は惨めだ」の説を証明
        している。直線上昇のパチンコは返りがピンポイントなので、気流によっては螺
        旋上昇の機体と使い分けする手も有るのではと、外野は思うのですが・・・・。

11月CLG記録会記録・大宮田んぼ、晴、気温23度  南〜北風1〜4m/sec.(60秒MAX10の5)
NO 氏  名    1  2  3  4  5  6  7  8  9  10   合計  F1/ F2  総合計
 1   石  井    60  60  60  29  31  38  38  55  57  60   297   90        389
 2   河  田    29  29  45  46  44  60  60  60  60  57   297   79        376
 3   乙  川    60  41  60  49  40  46  29  34  35  46   261
 4   戸  谷    31  30  60  32  27  17  54  23  29  41   218
 5   佐  藤    35  10  36  10  30  39  41  29  60  01   211
 5   鈴  木    38  36  52  36  29  46  25  38  33  37   211
 6   加  藤    60  17  10  15  20  43  20  22  15  26   171

11月HLG記録会報告                                       相沢・平尾・・・・C
  大八木さんが強い!!  今シーズンに入って負け知らずの3連勝!!お見事。
  今回はグリーンパーク組みの強豪が不参加でしたがフライオフ含めパーフェクトですか
  ら文句なしに立派です、素晴らしい。フライオフは大八木さん、春山さん、久保さん。
  10分の持ち時間の7分経っても誰も飛ばさない。もうこれでは2回の発航権の行使は
  できない。1回に掛けるしかない。動いたのが大八木さん。発航!高い!サーマルの中
  のようだ。続いたのは春山さん、久保さん。結果は飛ばした順で決まり。先に発航した
  大八木さんは120秒のMAXを獲得、かくして3連勝でした。
  今回はもうひとつ、大きな出来事がありました。春山さんがアンダーハンドスローHL
  Gでパーフェクト300秒を達成しました。成績が示しているようにアンダーハンドス
  ローでは春山さんの発航がとても安定していて高度もあります。今回は吉敷さん,斎藤
  さん,平尾さん,古矢さんがアンダーハンドスローHLGでの参加でした。吉敷さんは
  完成の域なのですが秘策機の開発に忙しくて練習不足のようです。斎藤さん,平尾さん,
  古矢さんはもうちょい発航の確実性がほしいところです。今後に期待しています。その
  他、密かにオーバーハンドスローHLGを練習している人がいます。こちらもよい記録
  が出ることを楽しみにしています。(相澤記)

  今年の大きな大会が全て終わって、のんびりFFの季節になりました。この頃になると
  いつもホッとします。ランチャーズ以外のグループは結構人が集まったものの、さして
  飛ばしもせず物見遊山の雰囲気。しかし、ランチャーズはこの日の記録会は集まりがや
  や少なかったものの、新潟からの参加もあって、なかなかの盛り上がりでした。
  良好な気象条件なもののサーマル読みは難しいと思いましたが、15人中200秒超が
  11名ですから、しかも200秒行かなかったグループで60歳以下は1人のみですか
  ら「この程度は問題ではない」レベルだったのでしょう。脱帽・・・・。
  円盤投げグループでは春山選手を筆頭に吉敷、斉藤、細海、笠井、相沢と実用レベルに
  達した選手が揃っています。しかも今回も相沢さんが258秒と好調、次回は優勝戦線
  に参加もアリか。新潟勢は結構なレベルで次回からは日本酒無しでも上位入賞の可能性
  アリになるか・・・・。
  そろそろ円盤投げの姿勢制御のノウハウが解明されつつあり、微細な調整が可能となり
  そうなので優勝戦線に軒並み登場の見込み。別項に吉敷選手が開発中の姿勢制御装置の
  解説を載せましたので、ご覧あれ。

11月HLG記録  大宮田んぼ、晴天  23℃  風北東1〜4m/s、60秒max           
NO  氏  名  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  合計  F1  F2  総合計  
 1  大八木  60  60  60  60  30  48  38  60   -   -  300   120     420  
 2  春  山  54  60  60  60  36  57  33  60  38  60  300    71     371  
 3  久  保  60  38  48  53  42  60  48  60  60  60  300    23     323  
 4  池  田  60  36  60  21  33  46  49  22  60  23  275
 5  吉  野  07  60  10  60  07  20  26  60  31  57  268
 6  吉  敷  37  23  60  47  41  44  47  60  20  36  262
 7  相  沢  42  36  10  35  25  21  60  60  60  30  258
 8  吉  田  47  43  31  45  42  44  60   0  60  45  257
 9  斉  藤  43  22  45  38  40  30  51  34  56  19  235
10  細  海  42  42  60  32  20  30  22  43  41  26  228
11  川  口  29  32  25  47  54  31  27  51  22  34  218
12  笠  井  47  39   0  37  32  09  21  13  35  32  190
13  平  尾  34  35  32  52  29  02  25  27  34  30  187
14  古  矢  26  19  19  32  20  31  05  14  20  37  146
15  戸  谷  13  04  17  23  13  22  22  17  17  31  115


◆  2003年フリーフライト日本選手権競技会報告                平尾・・・・D

  平成15年11月1、2、3日、千葉県干潟町万才田んぼにおいて、FF日本選手権競
  技会が開催されました。1日土曜日は練習日と受付、事前打合せ、2日F1B競技、3
  日F1A、F1C競技及び表彰式がありました。今年の参加者は50名と多く、又、気
  象条件も比較的良く参加選手は成績はともかくとして、競技を楽しんだ様子でした。来
  年は連休がないのでどうするのかな。
                                                         
◇F1A競技
  この種目は遠方での観戦なので詳細は不明です。しかし、フライオフの合間に見に行っ
  てみると、使っている機体は全機カーボン翼で、タイマーは大部分が機械式、一部回転
  ドラムを使う電子式(内一部日本製)によるバント離脱機でした。主翼は選手によって
  ロングスパン、ショートスパン機とバラバラでした。この日はやや風があったので選手
  の考え方により、機体選択で差が出たのだと思います。
  風下のF1Cのピットから見ていると、取得高度がよく解りました。この日は凄いサー
  マルは無く気流読みが難しかった様です。4ラウンドの記録を見ても3分max通過は
  7/14で、バントで高度が取れれば問題ないはずですが成績が良くない。日本の選手
  は外国勢と比べると、離脱時に走る速度が遅いのでバント高度がまだ低い選手が多い。
  競技では風下のF1Cのピットに機体が降りてきたり、河合選手の機体が電線に引っか
  かったりしていたので、記録は程々の様です。さすがにグライダー選手の年齢が若く、
  70歳以上は皆無、60才超が1名、60才付近が2名で将来性はありでしようか。
  スーパーマックス通過は3名のみ、終わってみると優勝は宮本選手、2位に和田選手、
  3位が土肥選手、4位が白井選手と順当な感じ。病み上がりの高橋選手、最高齢の吉岡
  選手、世界選団長のお疲れ・鷲見選手は選外でした。ランチャーズでは土肥選手の入賞、
  櫛引選手が頑張ったと言ったらいいのかどうか・・10位、平岩選手が酒を断ったせい
  か最下位でした。

◇F1B競技
  申込者は26名と最も多く激戦でした。早朝は霧がすごくスタートを1時間遅らせて8
  時半競技開始。ほぼ無風で近年まれな好条件でした。そこで、1、2ラウンドをスーパ
  ーマックス5分として競技開始。30gのゴムになってからは、ゴム巻きの上手い下手
  でスーパーマックスが取れるかどうかが決まるので各選手真剣でした。今のF1Bでは
  5分amxはきついので、1、2ラウンドが終わると結論が出てほっとした人、がっく
  り来た人と悲喜こもごも。後の3分はなめてかかってよい。この後落とす様ではスーパ
  ーマックス通過は幸運だったのであり、実力がないと言える。    最近ではいずれも上
  昇パターンは見事なもので、パワーダイブは激減して珍事である。と言うことはベテラ
  ンと初心者の差はほとんど無くサーマル読みで勝負が決まる。
  最近のF1Bの取得高度は素晴らしく、上昇のみを見れば8割は5分クリアーしそうに
  見えたが、この時刻ではすでに気流が動いているので優勝候補が続々と脱落。続く3〜
  6ラウンドで更に数が減って、フライオフに残った選手は5名でした。この中に今年の
  世界選3位の中田選手や、岩田、梅原選手の名はなく、失礼ながら余りマークされてい
  なかった選手が残りました。
  世界3位の中田選手は今年は何か灰汁が抜けてました。機体は95%がカーボン機です
  が、その中でバルサで頑張る勝山選手、可変ダイヤペラの宇津選手等変わり種も入って
  面白かった。バルサ製の勝山さんに今後ともぜひ頑張ってほしい。私もいずれバルサ翼
  のウエークを再度作りたいと考えている。
  ペロペラ
    ほとんどの機体が可変ピッチペラ装備なので、ゴム巻きの上手い下手が即高度に出る。
    ピッチレシオの変化量0.7のペラを駆動して発航時のハイパワーを食い尽くす調整
    が重要である。  ゴムの特性は急激なトルクカーブの上昇があり、直線的変化ではな
    い。しかし、現在はそれを直線的に変化するスプリングを使ってプロペラピッチを変
    えているので、体験的にどこまで有効に効いているかを判断するしかない。それが成
    功すると前半、後半の上昇調整が生きてくる。    ところでペロペラの使い方である
    が26条でピッチレシオ0.95〜1.65の場合のモーターランは42秒と標準的。
    高速上昇を狙うタイプは28条でピッチレシオは1.0〜1.7で使う。この場合、
    後半の頭上げが今一つ様だ、モーターランは40秒+α。
    一般的にピッチレシオは1.1〜1.8が多いと思うが、この場合は発航時のトルク
    が出ない場合は、直線上昇部分がかったるい。しかし、後半は素晴らしい。モーター
    ランは45秒程度である。現在はほとんどがアレクタイプのペラを使っているが、こ
    のタイプは大ざっぱで、誰が使っても前半後半ともそこそこに引きがよいのが特徴で
    ある。  
    可変ピッチペラ以外では、宇津さんが開発している可変ダイヤペラがある。変化量は
    直径で60mmあり、宇津さんはピッチレシオ0.85、直径640〜700、24
    条のゴムで140回巻いて飛ばしている。見たところダッシュは素晴らしく、後半が
    やや物足りない感じであった。モーターランは50秒程度であった。まだプロペラと
    マッチしていない感じだ。スタンダードの使用法としては発航時660φ後半で60
    0、ピッチレシオ1.1程度で使えば変化量としては十分だと思う。
    あとはペラのピッチ分布、ブレード幅分布を変えたペラを何種類か試して、最大効率
    のペラを特定すると使えると考える。期待を込めて待つ・・。
  主翼
    ほとんどはカーボン製で、断面は深いアンダーキャンバーのロングスパン(スパン1800
    mm程度)が大勢を占めているが、実際に競技に使っているのかというとそうではない。
    その原因は使い慣れていないことにあり、この利点を最大限生かしている人はまだ少
    ないと言うのは私の思い過ごしか・・・。しかし、来年当たりになって使い込んでく
    ると、大部分がロングスパンなると思う。  ロングスパン翼の滑空の伸びは圧倒的で
    ある。今後はショートスパンは強風用、ロングは微風用となろう。
  タイマー
    現行は大部分が機械式タイマーであるが、今後はどう変わるのかその辺を探ってみた。
    現在すでにロシアでF1B用の電子タイマーが開発されている。サーボモーター使用
    の4アクション物で、ディレイスタート時(0.4秒)のドラム移動量を大、デサ(
    分単位)を少なく動かしてピンを外すので確実性が高い。重量16.5g、本体価格
    175$、充電器その他を完備すると3万円程度になる。様々な時間設定(3分、5
    分max、練習用の時間設定等12パターンを記憶する)が出来るので、ボケミス対
    策になる。しかし、高額の費用を年金で払うには抵抗(妻の?)があるので、もう少
    し安くなって欲しい。
    又、未確定情報ではあるが、国内で電子タイマーを開発中らしい。こちらの方は一部
    すでにF1Aで使用中であり、それをF1B用に改良するらしい。重量は問題ないと
    考えるが、嬉しいことに価格も1万円を切るらしい。機械式はピンの設定位置を間違
    って視界没があったり、ゴミを噛んで止またりするが、電子式はそれがない筈である。
    簡潔で確実なメカを期待する。
  ゴム
    使ったゴムは01年6月が多かったと思うが、02年5月、99年3月等人それぞれ
    の好みで使っている様だ。要は上がれば何でも良いのであり、条数(24〜30条)、
    潤滑剤、慣らし等で変化する。私はゴム巻きが下手なので様々な人の意見を聞いて、
    今回は10日間180cm(5.5倍)の板で慣らし、更に85回巻きの後丁寧にシ
    リコンを落として、再度塗る方法でやってみた。重量も約0.4g軽くなるので、3
    0gで切って丁度良い重量になるようだ。又巻き数も5〜10回程度増えるようだ。
    この日は暑かったせいもあるが、出口選手は同じゴムを420〜436回巻いてホー
    ルドしているだけで数回切っていたので、この辺りが限界だと思う。
    もう一つ気になっている情報に、シリコンを付けて長時間置くとゴムが劣化すると言
    うのがある。経験的にもシリコンを付けてから1年も経つとバサバサ切れる確率が高
    い。現在は極力競技間近にシリコンを付ける様にしている。坂巻選手は巻く直前にシ
    リコンを付けている。この場合、重量管理が問題視されるがシリコンの量を決めてお
    けば問題は無かろう。しかし、面倒くさいと思うが・・・・。
    今後はタンUが供給されずタンスポーツのみになるが、性能の良いゴムの入手が重要
    課題になるだろう。
  気象条件
    干潟の気象条件は、大中の湖よりは解りやすいが、結構難しい。早朝霧で競技が出来
    ないので、その間HLGで気流をみてみたが午前8時頃から気流は動いていた。無風
    に近い好条件なので、かえって動きが読みにくく、9時から始まった第1ラウンドは
    ともかく、第2ラウンドになると大勢が脱落した。競技開始後1、2時間は未だ慣れ
    ていないので気流の動きが読めない。この日はでかいサーマルはほとんど無く安定し
    てるとも言えるが、デサーマルも顕著でないので滑空が悪いのかなと勘違いする程。
    その為にチョイ欠けのタイムが多かった。しかし、3ラウンド以降は体感のみでも読
    める程度になった。
  競技雑感
    第1ラウンドは8時半スーパーマックス5分でスタート、この時はまだコンデイショ
    ンが良く、5分はともかく、3分飛ばなかったのは4人/25人だった。第2ラウン
    ドになると9人/25人に増えている。第3ラウンド以降の脱落は仲良く2人づつで、
    この日のコンデイションが相当に良かったことが解る。但し。2回あったスーハーマ
    ックス5分を無事通過したのは5名のみと言うのも、ゴムが30gになったF1Bの
    性能が5分ギリギリである証拠の様に思う。現在の5分maxはゴム巻きが上手くな
    いと確かにきつい。出口さんが巻き終わってサーマル待ちの間に3回ゴム切れがあっ
    たが、いずれも持っているだけで勝手にドスンと切れていた。それほどギリギリのゴ
    ム巻きだったと言えよう。
    6ラウンド競技全体で2回以上落とした人は5名のみ。これを見ても、日本のレベル
    が全体的に上がって、現在では80%の選手は勝てる可能性がある。
    ランチャーズでは小堀さんの優勝、坂巻選手がまたも優勝できずの4位、浅沼さんが
    としぶといところを披露して6位、井沢選手が不調か気が乗らなかったのか9位、平
    尾はこんなもので17位、倉田さんは大宮で試合直前に機体を上空視界没がひびいて
    か18位でした。大塚さんの出場楽しみにしていたのに、腸閉塞で欠席でした。治っ
    たかな・・・・。
  決勝飛行
    決勝飛行は5人による7分MAXフライオフで3時30分にスタートした。フライオ
    フ1回目は、開始と共に小堀、出口、田岡、今村、坂巻各選手がゴムを一斉に巻きだ
    して次々にスタートした。  いずれも素晴らしい高度を取って全員が7分を通過。第
    2ラウンドは9分MAXで、これも開始と同時にゴム巻きが始まって、ゴム切れの出
    口選手以外は、ほぼ一斉にスタートした。高度は田岡選手がダントツだったが、飛行
    高度、飛んだ方向、視界の状況等で結局はオフに強い、ゴム巻き名人の小堀選手が優
    勝、2位には久し振りの出口選手入り、3位に田岡選手の順位となった。  意欲満々
    の坂巻選手は5位、このところめきめきと実力を上げてきた今村選手が4位と終わっ
    てみれば順当かなと・・・・・。
    しかし、後でこんな話が出てきた。小堀氏の計時の1人は目の良い某H氏、且つ、坂
    巻氏のカールツァイス双眼鏡を小堀氏の計時に貸した結果であると言う。そのせいで
    小堀さんの飛行機が最も長く見えていたのだとか・・・。もっともらしい話である。
    ともあれ、74才の小堀選手の優勝は、72才優勝の織間選手を抜いて最高齢の優勝
    である。しかし、これで又、優勝6回目の小堀さんに「君たちはよく練習しているが、
    何で勝てないのかなー」なんて言われるかと思うとあーあー。
    日本中で高齢化が進んでいるが、選手も高齢化が進んでいて今回70才以上が8名と
    30%を超えた。60歳以上を入れると過半を超えていて、今後は本気で若返りの努
    力をしないと10年後は選手が半減する恐れがある。
    この日は終日無風で、ラウンドを落とす原因は自分のみ。機体回収は心配ないし思い
    切り投げられたし、存分に巻けたし久し振りの素晴らしい競技会でした。おかげでこ
    の日は2機の調整が完了しました。みんな来年また頑張ろう。

◇F1C競技
  この日も気象条件は比較的良く、霧で1時間半遅れて9時競技開始。第1ラウンドは霧
  のせいで3分maxでスタートした。バルサ翼、アルミ翼は皆無で、大半がカーボンの
  3段上反、ロングスパン機(2,500mm程度)でした。又、ギアモデルも増えて、
  さすが日本はお金持ちです。
  上昇パターンもドジラナイ限り安定していて立派なもの。エンジンランは5秒になって
  もすごい高度でした。但し、2回ほどドジって地面に突き刺さり、イテテテの人がいま
  した。
  久し振りに薄井選手、及び名古屋からはほとんど新人の吉川強選手が参加していた。伊
  藤俊介選手は機体製作?が間に合わずドタキャンでした。
  知らずに見ているとギヤモデルと他の機との高度差はそれほどは無かった。これに調整
  の妙が加わるので、メカの差よりも調整の巧い下手の方が高度差を作っているように思
  う。競技の始まりが遅れて始まったので、気流は安定している様に見えながら決してそ
  うではなく、2ラウンドのスーパーマックスで過半の選手が脱落。時々パラパラと雨が
  降ったり、風が出そうな雰囲気もあって、4ラウンドで競技は終了とした。
  残ったのは関沢、吉川の両選手のみで、いきなり9分フライオフでスタート。両者ほぼ
  同時にエンジンをかけ始めて、ややかかりの遅かった関沢選手が吉川選手より少し遅れ
  て発航した。
  しかし、吉川選手の機体がおかしい。バントが横にずれて、そのまま背面飛行。次第に
  下を向いて地面に激突した。これが解っていれば関沢機は1分で降下させればよかった
  のに。
  その時点で既に関沢機は9分のタイマーで滑空に入っていて、相当な高度を取りやや強
  い風に乗って北に飛行していた。まさに後の祭りで、不幸にも関沢機は山を越えて木に
  引っかかり、且つ、監視班の車がその付近で脱輪と回収に時間がかかった。3位にはし
  ぶとく金川選手が入り、増田選手が4位と好位置、木引選手は7位でした。ランチャー
  ズでは関沢選手の優勝、田久保選手が5位でした。
  日本勢を見ていると世界選には誰が出ても良さそう。しかし、勝つにはエンジンがかか
  ると、その緊張感を快感と感じ、心が落ち着いてくる精神の持ち主が必要と思う。
◇全体では
  ランチャーズとしては、今回の成績は優勝が2人、4,5、6位がそれぞれ1人づつと
  素晴らしい出来でした。又、陰に回っては競技委員長を吉田さん、事務局を加藤氏と今
  回は表裏に渡って貢献してくれました。会長に代わって感謝します。今回の選手権の運
  営は大成功と言って良く、参加選手それぞれ成績以外は満足して帰ったことと思います。
  相沢会長本人は連日取材に来てホームページに報告を載せる等頑張りました。古矢さん、
  内山さん、蛭田さんが来場、宮辺君は裏日本観戦に来てくれました。余りお話も出来ま
  せんでしたが、この場を借りてお礼申し上げます。

平成15年度模型航空フリーフライト日本選手権成績(公式版)
2003年度日本選手権    2003-11-3    F1A    
No.  氏  名     R1   R2   R3   R4   R5 R6 R7  SM   FO1   合計    順位 
 1  宮本  茂樹  180  180  180  180            120  172   1012     1
 2  和田  光信  180  180  180  180            120  167   1007     2
 3  土肥  英幸  180  180  180  180            120  130    970     3
 4  白井  庄二  180  180  180  180            105         825     4
 5  河合  泰幸  180  180  180  180            50          770     5
 6  村上  善信  180  180  180  180            46          766     6
 7  高橋  浪男  180  180  179  162                        701     7
 8  小西  忠司  180  180  180  123                        663     8
 9  三留  益良  180  180  180  122                        662     9
10  櫛引  敬司  180  106  180  180                        646    10
11  熊井  恒雄  180  118  174  154                        626    11
12  吉岡  靖夫  180  180   59  180                        599    12
13  鷲見  健次  180  138  155  104                        577    13
14  平岩  保     18  173  180  142                        513    14
                                                                                
2003年度日本選手権    2003-11-2    F1B  
No.  氏  名   R1   R2   R3   R4   R5   R6   SM    Fo1   Fo2   合計  順位  
 1  小堀三夫  180  180  180  180  180  180  240   420   355   2095   1  
 2  出口東生  180  180  180  180  180  180  240   420   342   2082   2  
 3  田岡  真  180  180  180  180  180  180  240   420   307   2047   3  
 4  坂巻敏雄  180  180  180  180  180  180  240   420   285   2025   4  
 5  今村利勝  180  180  180  180  180  180  240   420   210   1950   5  
 6  浅沼資司  180  180  180  180  180  180  195               1275   6  
 7  梅原義則  180  180  180  180  180  180  178               1258   7  
 8  前田  喬  180  180  180  180  180  180  151               1231   8  
 9  井澤  正  180  180  180  180  180  180   47               1127   9  
10  小池  勝  180  180  180  180  180  180   18               1098  10  
11  中田光恭  180  176  180  180  180  180                    1076  11  
12  新谷誠悟  180  164  180  180  180  180                    1064  12  
13  西沢  実  180  163  180  180  180  180                    1063  13  
14  岩田光夫  161  180  180  180  180  180                    1061  14  
15  石川保則  180  180  180  180  180  148                    1048  15  
16  織間政美  180  180  147  180  180  180                    1047  16  
17  平尾寿康  180  140  180  180  180  180                    1040  17  
18  倉田泰蔵  180  137  180  180  169  180                    1026  18  
19  伊藤  勝  180  180  115  180  180  180                    1015  19  
20  白井正巳  172  151  180  146  180  180                    1009  20  
21  菅原隆郎  180  144  180  135  180  180                     999  21  
22  宇津秀夫  180   64  180  180  180  180                     964  22  
23  勝山  彊  150  180  180  180  102  145                     937  23  
24  津田晃英  180    0  180  180  180  180                     900  24  
25  竹鼻幸一   85  180  180   50  180  122                     797  25  
26  大塚恵司  欠席  

2003年度日本選手権    2003-11-3    F1C        
No.  氏  名       R1   R2   R3   R4   R5 R6 R7  SM   Fo  合計  順位
  1  関沢  一雅   180  180  180  180            240  198 1158   1
  2  吉川    強   180  180  180  180            240   31  991   2
  3  金川  茂     180  180  180  180            197       917   3
  4  増田  哲司   180  180  180  180            190       910   4
  5  田久保潤一   180  180  180  180            177       897   5
  6  熊谷克己     180  180  180  180            174       894   6
  7  木引  敬一   180  180  180  180            172       892   7
  8  江連明夫     180  180  180  180            172       892   7
  9  谷塚正実       0  180  180  180            540             9
 10  薄井弘安     180  180                      360            10
 11  伊藤俊介     競技に参加せず


◆  2003年フリーフライトF1G、F1H、F1J、HLG競技会報告    平尾・・・E

  上記競技会が11月16日大宮田んぼで開催されました。天気予報では直前まで雨風の
  予報で心配されました。しかし、ギリギリで回復し好条件に恵まれ盛会でした。参加者
  はゴム13名、グライダー7名、エンジン7名、HLG6名、計33名と例年よりは少
  数でした。

◇F1H・クライダー競技  
  競技開始時は無風、F1Aと違って浮きの悪い小型機はきつい。必死で走ってやっと機
  体が上がる状態で高齢者はヨタヨタ。日頃は走っていない私は即脱落。グライダーの名
  手・ドクター石井も1ラウンドはこなしたものの青息吐息。日頃「サークリングは走る
  ようではマダマダ」と言っていましたか、小型機はスイスイと降りてくるので今回の競
  技で意見を変えるのかどうか・・・・。3ラウンドぐらいから少し風が出て、ややサー
  クリングが楽になりました。
  優勝は練習熱心な新人・山本選手、しっかりしたサークリングで若さに物を言わせて、
  バント時は羽根が限界までしわり素晴らしい高度を取る、そして最多maxを取っての
  勝利。彼はF1Aもやっているので、来年当たり選手権にデビューか。2位は日頃練習
  をしているので、年のわりに走れる吉岡選手、1ラウンドのスーパーマックスを取って
  勢いに乗りそのままの逃げ切り、3位はまたまた、愛車のMGが壊れたむら雲の和田選
  手が収まりました。
  この日のサーマルは小さく、又、離脱時には入っているものの、すぐに外れてしまうケ
  ースが多く、2分ラウンドでも冷や冷やドキドキ。わずかに落とすかギリギリが多くフ
  ライオフは無しでした。一発離脱の小堀、櫛引両選手は、この日はサーマルが解りにく
  いので不利で脱落。

◇F1G・ゴム動力機
  本命は、出口、坂巻選手。両選手とも可変ピッチペラ、VIS装備のギンギンの飛行機
  で、油ギラギラで勝ちに行きました。結果は出口サプライが負けて2位、後で話を聞く
  とゴムの慣らしから時間が経っていないのでトルクが出ず高度で勝負あったとか。坂巻
  選手はF1Bでの借りを返しました。この2人程ギンギンの飛行機でなくても勝てる筈。
  この種目はまだまだバルサ機が多く、入門機としての形を残しています。バルサ機を含
  めて第1ラウンドは12/13人が2分をクリアーしているのでまだまだ戦えます。
  そのせいか、このところこの種目が一番メンバーが変化しています。3位の小林選手は
  そろそろ復活の兆しか。4位の島崎選手は製作調整とも熱心でここまでが600秒でし
  た。古株の勝山、佐藤、海老原、浅沼、静岡の三浦の各選手はそこそこに飛んではいる
  ものの成績は今ひとつでした。ここ2、3年の参加組がこの日は勝てず残念至極。皆結
  構良い上がりをしていましたが、サーマルに嫌われて脱落。モーターランを計ってみる
  と20〜30秒とばらつきがありましたが、取得高度はそれ程差がありませんでした。

◇F1J・エンジン機
  ほぼ3段上反のカーボン機に統一されて、エンジンもスーパータイガーは全滅。全機、
  馬力では桁違いのエンジンになってしまいました。当然ながら取得高度はすさまじく、
  2分競技としては上がり過ぎです。結果は当然ながら全員、全ラウンド2分超でスーパ
  ーマックスを落としたのも1人のみ。但し、フライオフでは1発で決まり、この日のサ
  ーマルの難しさを示していました。
  優勝はこの所好調の本永選手、大会の時しか出てきませんが、しっかりとトロフィーを
  持っていきました。2位は国際級ジュニアになるとゴムからエンジンに転向する津田選
  手、愛車の事故処理も終わって、安心しての結果でしょうか。3位はこの日メッタ上が
  っていた田久保選手、飛行機は全員似た様な物ですから、この日は高度の勝利か。

◇HLG
  例年の様に当日参加の予定できた人も居ましたが、過去にトラブル発生で今年は認可せ
  ず。又、紙の大会とダブったせいでハンドランチは参加が少なく6名。外野も賑やかで
  少人数の割には騒がしいのがHLG。相変わらず地面を狙ったり、人を狙って投げる投
  法も健在、しかし、この日も死者は出ませんでした。
  優勝はやや調子が戻ってきた吉田選手、もっとも大会になると欲が出ての優勝とも言え
  ますが・・・・。
  2位は復調?なったか平岩選手、3位はスーパーマックスを取りながら転けた池田選手
  でした。4位は現在絶好調の大八木選手、しかし大会になると負けるのは心の問題か。
  円盤投げの春山選手は5位、加藤選手は機体破損か?

その他
  フライオフと表彰式が終わって、しばらくして風が吹き出し、そさくさと解散。「全て
  世は事も無し」で目出度し目出度しでした。金川競技委員長、役員の方々ご苦労様でし
  た。
  この日は今年春亡くなられた松野さんを記念して「松野氏記念」と称して、氏が残され
  た模型に関する品々を副賞として皆さまに提供しました。相沢会長と平尾が預かって3
  ヶ月、50点ぐらいは有ったと思いますが、それぞれ持っていってくださり見事に無く
  なりました。自分の時はどうなるかな・・・。

平成15年度模型航空フリーフライト国際級(F1G,H,J)・HLG競技会記録         
2003年度F1G,H,J&HLG競技会    2003-11-16    F1G  
No.  氏    名    R1   SM  R2  R3  R4  R5  小計  Fo1  Fo2    合計  順位  
 1   坂巻敏雄    120   60   120   120   120   120   600   240         900     1  
 2   出口東生    120   60   120   120   120   120   600    84         744     2  
 3   小林   茂   120   51   120   120   120   120   600               651     3  
 4   嶋崎和利    120   37   120   120   120   120   600               637     4  
 5   佐野康仁    120   60   120   116   120   120   596               596     5  
 6   海老原清    103    0   120   120   120   120   583               583     6  
 7   松尾哲郎    120   51   120   120    95   120   575               575     7  
 8   浅沼資司    120   60    99   110   120   120   569               569     8  
 9   佐藤幸男    120   54   120   120    79   115   554               554     9  
10   渡辺了敏    120   60   120   120    73   120   553               553    10  
11   勝山   彊   120   60   120    93    90    99   522               522    11  
12   中野   紀   120   26   120   114   110    37   501               501    12  
13   鈴木深志    120   19   120    62    48   120   470               470    13  


2003年度F1G,H,J&HLG競技会    2003-11-16      F1H  
No.  氏    名    R1   SM  R2  R3  R4  R5  小計  Fo1  Fo2  合計   順位  
 1   山本   修   120   60   112   120   120   120   592             592     1  
 2   吉岡靖夫    120   60   106   120    90   119   555             555     2  
 3   和田光信    120   42   120   120   120    69   549             549     3  
 4   櫛引敬司     85    0    76    61   120   112   454             454     4  
 5   小堀三夫    120   43    71   120     8   120   439             439     5  
 6   平尾寿康     67    0   117    27    51   120   382             382     6  
 7   石井英夫    110    0    79    91     0    55   335             335     7  


2003年度F1G,H,J&HLG競技会   2003-11-16      F1J  
No.  氏    名    R1   SM  R2  R3  R4  R5  小計  Fo1  Fo2  合計  順位  
 1   本永  昇    120   60   120   120   120   120   600   159        819    1  
 2   津田晃英    120   60   120   120   120   120   600   152        812    2  
 3   田久保潤一  120   60   120   120   120   120   600   151        811    3  
 4   江連明夫    120   60   120   120   120   120   600   148        808    4  
 5   木引敬一    120   60   120   120   120   120   600   141        801    5  
 6   熊谷克己    120   60   120   120   120   120   600   118        778    6  
 7   谷塚正実    120   30   120   120   120   120   600              630    7  


2003年度F1G,H,J&HLG競技会    2003-11-16        HLG  
No.  氏   名     R1   R2   R3   R4   R5   SM  Fo1  Fo2    合計  順位  
 1   吉田利徳    60   60   60   60   60   5               305     1  
 2   平岩  保    60   48   60   60   54                   282     2  
 3   池田  昇    60   42   60   60   57                   279     3  
 4   大八木重伸  60   60   60   60   36                   276     4  
 5   春山清夫    36   47   29   60   60                   232     5  
 6   加藤正剛    57   25    0    0    0                    82     6  


 お知らせ                                                                  

●  04年初飛ばし                                                        F
1.主    催      東京選手会
2.競技種目      競技はなし
3.開催日時      2004年1月2日(金)  午前  〜  午後
4.開催場所      埼玉県大宮田んぼ

●  04年湘南大会の案内                                                   G
1.主    催      湘南倶楽部
2.競技種目      フリーフライト  F1G、F1H、F1J、HLG、ライトプレーン他
3.開催日時      2004年1月11日(日)7.30より受付、8時競技開始、11.30終了
4.開催場所      埼玉県大宮田んぼ
6.参 加 費      当日現地にて−1種目  2,000円
6.参 加 費      当日現地にて−1種目  2,000円
7.申 込 み      当日。湘南倶楽部事務局
8.申込期限      当日有効
9.そ の 他      詳細については、湘南倶楽部事務局(0463-33-0248)にお問い合わせくだ
                 さい。又は、インターネットホームページ・「ランチャーズ」をご参照ください。
10. 追加事項     櫛引さんの勝手な「暗闇鍋」があります。

●  04年寒中杯の案内                                                    H
1.主    催      代々木スカイフレンズ
2.競技種目      フリーフライト  F1G、F1H、F1J、ライトプレーン、他
3.開催日時      2004年2月1日(日)  
4.開催場所      埼玉県大宮田んぼ
6.参 加 費      選手−3,000円
7.申 込 み      代々木スカイフレンズ事務局
8.申込期限      当日有効
9.そ の 他      詳細については、代々木スカイフレンズ事務局にお問い合わせください。
                 又は、インターネットホームページ・「ランチャーズ」をご参照ください。
10. 追    加      是非見学にお出でください。

●  04年国際級F1ABC競技会案内                                       I
1.主    催      日本模型航空連盟・FF委員会
2.競技種目      フリーフライト  F1A、F1B、F1C
3.開催日時      2004年4月11日(日)  
4.開催場所      板倉田んぼ
6.参 加 費      選手−21,000円
7.申 込 み      
8.申込期限      3月末日
9.そ の 他      詳細については、FF委員会にお問い合わせください。又は、インターネット
                  ホームページ・「ランチャーズ」をご参照ください。
10. 追    加      是非見学にお出でください。

 FF文化サロン                                                     

■  UHLG(forFF)の姿勢制御の考案                     吉敷・・・・J

(1)まえおきとして、今回の制御には key point が4つあります。
     1.磁石を利用してトリガーすることです。※ トリガーとは「引き金」を意味します。
        エネルギー積の大きな希土類磁石(例えば、サマリウム、コバルト磁石)を使い
        ます。具体的  には、プラモデルのミニ四駆等に使用するマブチモーター内の磁
        石です。
     2.デイレィティングタイマーを使用します。※ ディレイとは「遅延」を意味します。
        今回はデイレィティングタイマーとして、シリコンパテ(デンタルタイマー)を使う。
        他の場合は市販のタイマーを応用すればOKです。小型、軽量、信頼性がkey
     3.HLGが最高到達高度位置から失速し、降下直後に最適時間、エレベーターをア
         ップさせます   ・姿勢制御
     4.姿勢制御後の滑空設定は移動磁性体(鉄片)が磁石と吸着状態(重心が機首方向
         へ移動後の状態)及び、エレベーターがニュートラル状態とします。
   このkey  pointで夢は「ふくらむ」事と思  います。
 
   以上の事を「吉敷プロットタイプ事例」で説明し致します。
(2)動作説明概要:翼端投げの場合
     2・1 準備
         @回転クランクをBポジションへと回転させトリガーピンでホールドする。
           この時、磁石と移動磁性体(鉄片)とは非吸着状態(離れている)となる。
         Aシリコンパテでエレベーターアップ時間を設定する。
         B糸を主翼端へ引き、手でホールドする。
     2・2 トリガーON
         @翼端投げでHLGを上昇させる。同時に2・1項Bの糸をはなす。
         A機体は上昇からトップから下降姿勢になると、移動磁性体(鉄片)が機首へと
           移動し磁石と吸着する。同時にトリガーピンが引き抜かれる。
         Bトリガーピンが抜かれると回転クランクが動いて、ディレイティングタイマー
            用スプリングの力で可動レバーをたたき、エレベーターはアップを引く。
         C回転クランクはシリコンパテでディレイされた設定時間可動レバーを押して、
           アップを引きつづける(2〜5秒、最適値の調整を要す)。
         D設定時間後、回転クランクが可動レバーから外れてニュートラル位置へと戻り、
           エレベーターもニュートラルとなる。
         EHLGは滑空状態となる。項1のイメージレイアウト図状態
(3)コメント
      3・1  タイマーは市販品の物や回転式オイルダンパーでも可。応用してください。
      3・2  移動磁性体(鉄片)の移動タイミングは重要である。ストップビーズ位置
            (磁石から鉄片をどれくらい離すか)でアジャストする。
      3・3  本件は大型翼端投げHLGに「効果り」と考えます。
  以上(吉敷)

解説と駄文
  この装置は、なかなか難しい制御をやっています。この仕掛けを考えた脳味噌はなかな
  かのものです。円盤投げHLGの利害得失を正確に理解し、手元を離れてから「返り」
  までの姿勢制御はどうあるべきかを決定した設計思想に乾杯。しかしながら、この装置
  がなぜ必要かが解らない人が多いと思いますので勝手に解説します。
1.「発航」から「返り」まで
    UHLGの「発航」から「返り」までの時間は以外と長く約3秒です。取得高度を3
    0mと仮定すると平均秒速10mになります。しかし、「投げ」は減速型の上昇なの
    で出だし25m/秒、返りの直前で1〜2mとすると初速は時速90kmになります。
    一般人が野球のボールを投げて時速100kmを出すのは至難の業です。過去の例で
    すが私がボールを投げた場合のスピードは時速80kmでした。常識と比べてもこの
    値は適当であると考えます。そして舵の効きにくい低速時にどう制御するかの挑戦で
    す。
2.設計思想の決定
    まず、発航時から3秒後にどのような姿勢制御をすべきか考えます。翼端を持って円
    周上を加速して、機体は(右利きの場合)水平、又はやや上向きに左方向に飛び出し
    ます。うまく行った場合は、機体は左に振られながらやや低めに投げ出されて、右利
    きのラダーで程良く直進し、次第に頭を上げて上昇しトップで水平になり、そのまま
    滑空に入ります。
    失敗した場合は、頂上で高速のまま宙返りに入り、頭を下げノーズを下に突っ込んだ
    形で高度を失ってから滑空に入るケースが多い。今回の装置は、このループに入る場
    合を想定して、タイマーを使うのではなく機体の姿勢を見知して、やや時間を長めに
    舵を効かせて姿勢を制御(小旋回)をする様に設計しています。
3.今回の姿勢制御とその問題点
    V尾翼場合は片翼のみを効かせた場合はラダーとしても働くので、吉敷機の様にV尾
    翼+垂直尾翼がある場合は、左旋回+上げ舵として効くはずです。これを上昇のトッ
    プで効かせる場合はタイマーを使う方法と、吉敷案の様に減速しトップで機体が頭下
    げになると磁気スイッチが働いてラダーと上げ舵を時間をかけて効かせる方法があり
    ます。それによって機体は小さく左に旋回しながらノーズを起こして滑空に入れよう
    としています。
    この装置の問題点は減速型の姿勢制御であることです。FF模型用の制御は、ゴム動
    力、エンジン機、グライダーのいずれも加速型姿勢制御ですので楽なのです。減速型
    で唯一成功したと言えるのはスタン・ストイの「折畳み翼室内HLG」だけでしょう。
    この場合は上昇のトップで失速すると同時に翼が開くのですが、室内機なので翼面加
    重が軽くどんな姿勢からもパッと滑空に移る事が出来たのです。
    今回の考え方に一番似ているのはグライダーのカタパルトランチです。グライダーの
    場合、離脱する時に5〜10kgのテンションをかけてフックを引き抜き、その力で
    加速すると同時に、強烈に右ラダーを当てて機体を急旋回させます。旋回半径はフッ
    クのバネをネジで調整して決める様に出来ています。
    しかし、今回のUHLGの場合は減速型で、且つ、低速、又は失速寸前に機体を小旋
    回に入れようとするのですから難しい。低速な分だけ舵の効きが悪いので長めの時間
    効かせないと用をなさないでしょう。失速して一時機体が止まった場合は、機速が付
    くまで何をやっても全く効きません。タイマーを使う場合は速度が完全に無くなる前
    にラダーを効かせないと駄目でしよう。過去にも小原氏がHLGのバント装置をテス
    トしていましたが、未完でした。
4.作り方と問題点
    この装置は何回やっても同じパターンで「返る」のが理想で反復性が命です。吉敷氏
    は名人芸の針金細工で大変軽量に装置を作っています。まさに手作りですが、汎用性
    を考えた場合もっと機械っぽくする事が可能か、又、そのメリットがあるかが問われ
    ます。
    又、メカ搭載の場合、タイマーが2〜6g、メカが3gとしても、10g近くなので
    この重量加算はHLGにとってきつい。このあたりのが問題です。                


■  F1Bの取得高度について        資料提供・大村和敏、駄文・平尾・・・・K

  ここ数年来大村さんが、模型飛行機に関して様々な記録を収集してくれています。時々
  その資料を頂くのですが、私の無精の性で余り掲載していません。今回03年のFF日
  本選手権競技でのF1Bの高度をレーザー距離計(計測は約800mまで可能)を使用
  して計った資料を頂きましたので、勝手な文書を付けて掲載します。又、数年前の板倉
  大会で、私も津田さんの距離計をお借りして計った経験から、その時の様子を加味しな
  がら駄文を付けました。(資料別添)

1.最新F1Bの取得高度について
  今年のFF日本選手権競技会の上昇高度は素晴らしいもので、過去の40g、35g時
  代と少しも変わってない。と言うよりも過去よりも優れているとすら思えます。競技報
  告で書いた様に80%の選手がいつでも勝てる環境にあります。その原因の1つとして、
  その気になれば調整済みの完成機が手にはいる事と、もう一つはプログラムコントロー
  ルが進歩して、非常に完璧なロスの少ない上昇をすることにあります。
  次に、可変ピッチペラの普及があります。早朝の5分のスーパーマックスを通過するに
  は、可変ピッチペラでないと困難です。昨年まで私は固定ピッチで頑張っていましたが、
  周りを見回すと90%以上の人が可変ピッチペラを使っていました。外国と違って湿気
  の多い日本の早朝の田んぼの環境では、可変ピッチペラを使って相当の高度を取っても
  5分がギリギリだと考えます。    今年は無風に近い完璧なほどの環境でしたが、2回
  あった5分max通過は5人しかいませんでした。日本の1線級の上昇高度と滑空性能
  があれば、世界選でも優勝を狙えることは今年の中田選手が証明しています。しかし、
  日本の競技では80%人が脱落しますので、乾燥している外国と日本とでは、早朝時飛
  行性能に差が出ると考るべきだと思います。

2.3グループの高度について  (別添資料参照・大村和敏測定)
  今回の資料の計測時間はFF日本選手権の03年11月2日午前9〜11時となってい
  ます。測定器は「ニコンレーザー800」・(倍率8,実視界4.5度、測定範囲16〜
  800m、誤差2m+−1m)で、これに独自で工夫された角度計(測定位置から測定
  物までの角度を測る)を付けて、垂直に換算して垂直の高度を出し、表したのが今回の
  資料です。高度を測定した値なので、信頼性は高いと考えます。
  この表を見ると【A】「アベレージ群」約80mクラスを静止気流時の値とすると、石
  井氏が推定値としていた値とほぼ合致します。次に【B】「エリート群」を見ると約1
  00mになっていて、大村さんは優秀なF1Bの高度としています。この高度差は@機
  体の優秀性、A調整の完璧さ、Bゴム巻きの巧さ等に支えられた値と考えます。しかし
  今回の表には【A】と【B】の中間値が無いのが気にかかります。この原因として、私
  がかって板倉大会で測定した時に、ある時間(10時前後)を境にガクッと高度が上が
  った経験があり、これを考慮に入れると、原因としては@性能の差、A時間帯での気流
  差の2つが考えられると思います。  
  Aの場合は、早朝は下降気流は無いものの、湿気等で気流が重いのが原因とする。そし
  て或る時間で気流が乾燥して軽くなる時間帯があると考えます。
  次に【C】「サーマル群」の値について、私の過去の経験でもサーマル時の高度120
  mの値が記憶にあるので疑義はありません。ちなみに、過去に使った機器は、津田さん
  よりお借りした測定距離距離400mのもので、この時は120mより高い値は計れま
  せんでした。多分、測定器の性能や測定物の大きさ、反射率、測定技術の稚拙さ等原因
  とが考えられます。今回は135mの測定値があるので、余計なことですが測定器を購
  入するなら測定距離800m用を推薦します。
  この表より計算するとサーマルによる高度差は最小24mから最大44mになり、この
  時の上昇気流は、モーターランを40秒として計算すると0.6〜1.1m/秒になり
  適切な値と考えます。私の経験からしても、目測で80〜90mがスタンダードで、サ
  ーマルに入った時の値120mは「上がった」と実感できるものでした。

3.「アベレージ群」から「エリート群」へ
  この表の通り、機体性能で高度差20mがあるとした場合、調整のやり直しから機体の
  変更までの対策に取り組んで「アベレージ群」は何としてでも「エリート群」に追いつ
  かねばなりません。
  それには、まず自分がどちらに属しているかを確認する必要があります。誰でも「自分
  の機体は上がっている」と考えるので、これは簡単なようですが以外に難しいことです。
  この方法として明確な方法は迷惑でしょうが「大村氏に測定して貰う」があります。2
  つ目は、他人に意見を聞く事と、自分が冷静になって取得高度を観察し決定する。それ
  には測定器の購入が望ましい。測定器の費用はヨドバシで約5万円です。
  「貴方のは飛ばないよ」とは言いにくいでしょうから、相手が言った真意を確認する必
  要があります。FF屋は案外口が悪いので、素直に毒づいてくる場合もあるので、その
  場合は我慢をしてさらに調整についての意見を聞いてみるのも1つの方法です。
  次に、自分がアベレージにいるのが確認された場合、まず、機体に問題がないか、情報
  収集をします。そして自分の機体が標準的(可変ピッチペラ、可変水平尾翼ラダー、優
  れた翼?等)であれば、調整を再チェックする、ゴム巻きの練習をする等々が必要です。
  しかし、単独では進歩しにくいので、先輩後輩を問わず意見を聞いてみましょう。
4.独自の世界を生きる
  他に、最新型でなくても独自の機体で頑張るのも1方法です。この場合はどの程度の成
  績を目標にするかによって日々の調整が異なります。オールバルサ機、固定ピッチ、デ
  サ以外の可動部分は無しの機体も、やり甲斐があります。過去にKFCの藤田さんがし
  ぶとい飛び方の角胴F1Bで結構な成績を上げていましたが、見ていて感激しました。
  紙張り角胴と方形翼、扇子型のマックウウエルベラによる緩上昇機等も有っても良いと
  思います。FF日本選手権も参加することに意義ありの生き方に徹すれば、これも素晴
  らしい事ではないでしょうか。
  この様な機体でも、多分昔の時よりも取得高度は上がっているのではないでしょうか。
  さらに、独自性を追求するならば、日本では見たことがない前尾翼や無尾翼ウエークも
  挑戦のし甲斐があると思います。