Launchers ランチャーズ会報2003年5/6号

●2002年記録会は10月19日(日)大宮田んぼ(9:00〜12:00)
  2003年記録会は11月16日(日)大宮田んぼ(9:00〜12:00)です!

  今年のFF世界選手権F1Bの中田選手が3位受賞と日本のゴム競技機の実力をアピー
  ルしました。次回の世界選はアルゼンチンとの事。欧米よりは行きたいと人が少ないの
  ではないかと思います。しかし、参加資格のある人は体力のあるうちにドンドン世界選
  に参加して、賞を貰ってきましょう。日本のゴム動力機のレベル1流と自負しています
  が、サーマル読みは又別です。    それには、HLGをやってサーマル読みを取得する
  のが一番の近道です。希望があれば、ランチャーズでは国際級のベテランの為の「サー
  マル読み教室を」を開催しますので、ふるってご希望ください。参考までに、競技会を
  毎月第3日曜日に大宮田んぼで行っています。希望者はHLGを持参の上、おいでくだ
  さい。HLGの無い方はお貸しします。今年から参加すると再来年の世界選手権に十分
  間に合います。待ってま〜す。

 記録報告 
     @2003年8月記録会/CLG       A2003年8月記録会/HLG、
     B2003年9月記録会/HLG       C2003年9月記録会/CLG  
     Dランチャーズ合宿の報告

 お知らせ
     EFF日本選手権競技会案内                        

 FFサロン
     F翼端投HLG計算のお遊び         G翼端投げHLGの上反角
     H屋外HLG図面の訂正文        IPLG競技への提案        
     Jカーボン補強F1H製作メモ    KFF模型クラブ機関誌の紹介

◆2003年8月記録会の結果(HLG/CLG)                     

8月CLG記録会報告                                             佐藤・・・・@
  年に一度のチビタ大会(田中さん、図書券提供有り難うございます)。今日は好天に恵
  まれ最高のコンディションでした。優勝は打上(上昇)グライドとも素晴らしかった河
  田さんが初優勝(おめでとうございます)。2位は初陣でフライオフに残った三田さん
  ですが、後半コンスタントにMaxを出して立派でした。3位は練習熱心な乙川さん、
  4位は製作技術が向上した鈴木さん(賞品提供有り難うございました)。以下省略

  追記・この日は好天なだけに真夏の暑さで、それに負けずに参加者は11名と多め。グ
  リーンパーク大会は参加者集りやすいのでしょう。しかし、この日は夏としては涼しい
  方だったので、競技途中の昼寝はなしでした。風もほとんど無くパチンコには好条件で
  した。9月からの大宮大会にも参加を期待しています。

8月PLG記録  グリーンパーク、晴天  31℃  風北東1〜2m/s10投中5投の合計  45秒MAX
順位 選  手  R1  R2  R3  R4  R5  R6  R7  R8  R9  R10  F1 F2  合計 備考
 1   河  田  45  45  45  38  45  45   -   -   -   -   60   34    285
 2   三  田  33  28  45  34  41  45  32  45  45  45   18   27    252
 3   乙  川  45  16  18  41  05  40  31  45  45  32              216
 4   鈴  木  24  20  29  37  23  45  45  45  35  20              207
 5   佐  藤  13  19  45  23  45  20  30  34  31  45              200
 6   林      16  23  31  26  09  33  45  45  22  26              180
 7   戸  谷  19  17  34  28  13  28  34  29  35  45              177
 8   内  山  06  33  38  23  06  05  37  28  12  23              159
 9   川  口  44  45  37  31  --  --  --  --  --  --              157
 10  斉  藤  37  08  12  04  09  20  20  37  31  21              146
 11  西  原   -   -  05  16  16  18  37  22  07  31              124

8月HLG記録会報告                                  1.相沢、2.平尾・・・・A
  8月のランチャーズ記録会は恒例のグリーンパークでのCHIBITA−GO大会です。
  すっかり定着した感があり、多くの方が参加しました。HLGの優勝は地元グリーンパ
  ーク?の星野さんの45×5のパーフェクトでした。沈着なサーマル読みで優勝、お見
  事でした。2位はパーフェクトに1秒足りない井村さん、3位は吉田さんでした。CH
  IBITA−GOの生みの親、田中晋さんも参加されご寄付頂いた沢山の図書券をご本
  人からHLG、PLGの1〜3位に渡して頂きました。有り難うございました。
  今年から円盤投げスタイルのCHIBITA−GOで参加は古矢さんのみ、成績は今ひ
  とつでした。練習の時はそれなりの高度、返りを見せていましたので小型機クラスにも
  この方式が使えることを示してくれたといえます。
  9月21日(日)は大宮田んぼで通常の無制限級で行います。早いもので、もう大宮の
  季節が来ます。今年は梅雨が長かったので21日に田んぼが使えるか微妙ですが、一応
  この日に予定しました。常勝のベテラン選手を負かす選手の登場・機体の出現を楽しみ
  にしています。

  追記・元祖田中選手のお年を感じさせない取得高度が立派でした。スナップが効いてい
  て、まだまだ現役大丈夫です。ところで、この所気になっているのが相沢会長の高度、
  低いのですよ・・・・、復活を祈るのみ。久し振りに参加の小川、平岩選手と地元の人
  々、皆さん元気でした。大宮田んぼも来てねー。
  最後に、そろそろ脱「ちびた号」の話が出ました。ちびた号も15年以上前の設計です
  から、新規格の要望も解りますが、飛行場がグリーンパークとなると「超える機体」とは
  どういう機体かが難しい。ランチャーズ諸氏の提案をお待ちします。

8月HLG記録  グリーンパーク 、晴天  31℃  風北東1〜2m/s、45秒max              
NO  氏  名  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  合計
 1  星  野  45  18  45  23  28  33  45  45  45   -  225 
 2  井  村  30  44  45  20  07  36  45  45  45  28  224 
 3  吉  田  12  26  20  45  29  32  45  33  23  44  199 
 4  小  川  29  45  33  36  28  29  45  16  23  16  188 
 5  川口親  24  24  36  44  37  21  21  36  33  34  187 
 6  斉  藤  27  13  41  19  45  28  20  45   -   -  186 
 7  池  田  44  33  20  30  20  28  25  13  29  45  181 
 8  相  沢  13  04  02  29  30  27  42  19  42  18  170 
 9  平  林  04  45  30  30  18  14  25  39  14  16  169 
10  平  岩  25  41  23  27  30  31  18  29  21  27  158 
11  大八木  33  45  08  33  06  21  04  23  05  09  155 
12  吉  野  17  17  45  22  26  16  14  30  31  12  154 
13  谷  塚  17  18  31  19  26  25  27  15  34  20  143 
14  田  中  16  19  23  37  20  16  29  20  28  20  127 
15  平  尾  27  25  20  23  15  08  17  19  29  14  124 
16  戸  谷  23  17  19  14  12  29  17  18  21   3  110 
17  大  島  29  07  23  42  08   -   -   -   -   -  109 
18  川口子  15  17  27  16  13  23  16  07  13  14   99 
19  石  山  32  34  20  03   -  -   -   -   -   -    89 
20  古  矢  04  14  07  08  10  13  04  10  11  02   58 

◆2003年9月記録会の結果(HLG/CLG)                     

9月HLG記録会報告                                             相沢・・・・B
  台風一過の9月23日(秋分の日)、機体の小さなPLGには少々風があったようです
  がHLGには気にならない程度の風でした。大宮シーズン開幕でどことなく動きが活発
  に感じられました。  スパン1000mmを越える機体が登場する円盤投げスタイルのH
  LGが続々登場してきました。元祖石井満さんが1300mm、平尾さんが1490mmで
  す。しかし、残念ながら強度不足で、記録会開始前に破損してしまい出直しです。スパ
  ン1100mm位の自動操操縦式円盤投げHLGを披露したのが久保さんです。こちらは
  仕掛かり中の機体を2機、軽い手投げ確認していましたが本格飛行に至りませんでした。
  記録会の方は通常投げの大八木さんと吉田さんがパーフェクトの300秒でフライオフ
  決戦となりました。決戦では記録が今一伸びませんでしたが気迫?で大八木さんが優勝
  をもぎ取りました。ラウンド後半、MAXを積み重ねてきたのがペーパーHLGで参加
  の石山さんです。グリーンパークで有名な石山さん、この日は慎重なサーマル読みと確
  実なランチングでフライオフに残る勢いでした。残念ながら4MAXの290秒で3位。
  ペーパープレーンの大会が近いとか、好記録が期待できそうです。
  円盤投げスタイルでの参加は、斎藤さんと吉敷さん、二人ともランチングは決まってい
  て3MAXの279秒と264秒で4位、5位でした。古矢さんは自パワー限界を超え
  る36秒のランチングを見せていましたがラス前でした。その他の人も円盤投げスタイ
  ル機を持ってきていましたがパターンが決まらずに通常投げの機体で参加していました。
  ところで、通常投げスタイル機、円盤投げスタイル機の呼び方と略号ですが某氏の案で
  従来からある通常投げスタイル機を上手投げグライダーの意味で
    OHLG:Over Hand Launch Glider
  円盤投げスタイル機を下手投げグライダーの意味で
    UHLG:Under Hand Launch Glider
  と呼びたいと思いますがいかがでしょうか?
  英語では上手投げはoverarm 下手投げはunderarm らしい?ので
  OALG:OverArm Launch Glider、とUALG:UnderArm Launch Glider というのもありそう
  ですが、HLGという表現にこだわってみました。特に対案がなければ以降これで行き
  たいと思います。(相澤記)

  追記:21日が雨だったので、急遽開催日時を変更して祭日の23日に記録会を実施。
  台風が太平洋側に抜けた後は、まず快晴で、割合に風が無いことが多いのですが、この
  日はやや風がありHLG日和。ウエークも飛ばしていましたので、そんなに文句が言え
  る様な条件でもなく、みんな元気でした。日程変更にについては、ランチャーズホーム
  ページを見られない人は、電話で確認するなりしてください。
  相沢さんの報告にはありませんでしたが、相沢会長が翼端投げの新作を持参して調整中、
  頑固な相沢さんにしては意外に飛ぶので驚いた。機体はスパン900mmクラスの翼弦
  の小さい方形翼機で翼端強度が必要なので厚翼で、且つ、十分な上反角があり実用間近
  と見た。成功すると10年振りの優勝が実現するかも・・・。
  しかし次回まで壊れなければであるが。
  槍投げタイプでは池田選手が復調して声の大きさにふさわしい高度が出だした。小型機
  では戸谷さんが頑張っていて、機体も高度も素晴らしくこれからが見物である。
  この日の状況で解った事だが、風の強い日は翼端投げが普及しても方向性が良いので槍
  投げが断然有利。

9月HLG記録  大宮田んぼ、晴天  28℃  風北東2〜5m/s、60秒max             
NO  氏  名  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  合計  F1  F2  総合計  
 1  大八木  60  34  42  60  53  06  60  60  54  60  300   39       339  
 2  吉  田  04  60  38  48  60  60  60  60   -   -  300   5/36     336  
 3  石  山  35  35  30  22  60  60  50  60  60  32  290
 4  斉藤パ  36  60  43  26  60  60  12  56  33  42  279
 5  池  田   0  44  60  38  29  60  40  38  36  60  264
 5  吉  敷  60  60  44  36  30  36  37  40  35  60  264
 7  川  口  17  30  60  60  35  38  37  60  41  32  259
 8  相  沢  30  41  30  25  45  58  52  19  60  28  256
 9  春  山  26  35  53  52  51  46  39  28  53  34  255
10  久  保  32  60  40  28  45  50   -   -   -   -  227
11  斉藤光  60  23  41  08  19  38  18  24  22  47  210
12  戸  谷  21  21  35  25  16  42  23  36  60  09  198
13  平  尾  25  10  34  35  30  19  18  43  25  32  174
14  三  田  24  32  27  35  45  21  23  16  23  24  163
15  古  矢  14  36  22  29  26  19  27  18  16  14  140
16  石井満  15  24   -   -   -   -   -   -   -   -   39

9月CLG記録会報告                                               ・・・・C
  台風15号過ぎの青空、天気は上々だが、なんせ風が強く、すごく風に流されて選手諸
  氏苦心、次は回収に大苦心しておのました。10投完了しない選手が続出、まさに参加
  することに意義ありか。Max2回の鈴木さんは流石でした。

  追記:この日は集まりが悪く、石井英夫、佐藤さんがお休みで、混戦模様。機体は小さ
        いし、風は強いし、水たまりが多く回収に手間取っていました。

9月CLG記録会記録・大宮田んぼ、晴、気温28度  南〜北風1.5m/sec.(60秒MAX 10の5)
NO 氏  名    1  2  3  4  5  6  7  8  9  10   合計  F1/ F2  総合計
 1   鈴  木    22  40  28  43  44  60  60  52   -   -   259
 2   西  原    33  52  60  32  41   -   -   -   -   -   218
 3   河  田    45  11  05  36  60  32  29  30   44  -   217
 4   乙  川    07  41  10  60  46   -   -   -   -   -   155
 4   加  藤    47  25  35  37  11   -   -   -   -   -   155
 6   戸  谷    25  33  32  17  28   -   -   -   -   -   135
 7   内  山    20  25  22  10  06   -   -   -   -   -    83

■  ランチャーズ合宿の報告
  恒例のランチャーズ合宿が8月16、17日土日、異常気象の雨の中で開催。わざわざ
  新潟から3人も来てくれたにもかかわらず、櫻川はしとしとの雨。しかし、この合宿は
  半分は飲み会とダベリが目的なので、参加された21名の方々には、そこそこに収穫が
  あったことと思います。
  気流がよい時は夏久し振りの練習で憂さ晴らしが出来ますが、暑いのでこちらの方はそ
  こそこにして大抵はこれから始まるFFシーズンの情報収集や、意見交換が目的です。そ
  こで様々な話題の中からのいくつかをご披露します。

  1.今回初めて新潟からの参加があり、関東の大合同も目的とし、又、秋のHLG界の戦い
      方を公開しました。新潟では3人とも「翼端投げ」の技術を取得、記録会荒らしを
      狙っているようです。今回「翼端投げ」機を多数持参して、ランチャーズを威嚇し
      ていました。警戒警報!!!

  2.03年の世界選の報告では、選手それぞれの生々しい反省と今後の抱負が聞けまし
      た。世界  選はFF界最大の娯楽イベントで、開催国の状況やFF界の動向、細かくは
      各国の選手の動  き、変化の兆し等々の報告があり、毎回楽しみです。
      しかし、「今後如何に戦うかべきか」がメインテーマで、これを聞かずして世界選
      で勝つのは無理です。毎度出ている事ですが、勝つ為のチーム編成や、事前の情報
      収集不足、段取りの時間的問題等々が話題になりました。FF委員会の場合は全て
      がアマチュアですので、数年で主たる委員が入れ替わります。他の委員会の様なセ
      ミプロ(ラジコンのメーカー社員等)いないので、時間的、経済的な余裕がない。
      世界選の準備は以外と時間と暇かかかるので余程気合いを入れて掛からないと良い
      コンデイション作りが出来ないのが実情です。その条件の中でどこまで体制づくり
      と心の準備が出来るかが問題です。戦う条件としては、チームや他の問題が50%
      あるとしても、残りの50%は自分の責任ですから、結局は自分の責任と言う事で
      す。
      世界選に行こうと言う志の人は必ず合宿に参加する事と、ランチャーズ記録会に出
      て、サーマルハントの実際を経験取得する必要があります。

  3.日本選手権競技会の運営について
      特にボーナスラウンドの運営方法について、議論がありました。ボーナスラウンド
      の存在意義と、記録をどうするかは選手一同何かすっきりしない部分があるようで
      す。但し、記録方法については、今回の世界選の記録方法を参考にすると、これで
      良いのではと思いました。
      どのラウンドをボーナスラウンドにするかは、結果からは何とでも言えますが、そ
      の判断については競技委員長に一任するしか方法がない。それには健全な精神と神
      経の人を委員として選ぶしか方法はありません。委員会への若手の積極的な参加を
      望みます。

  3.FF界の今後について
      FFは世界的に高齢化が進んでいて、「若返り」が必須の課題です。このままで行
      けば、クラス分けが進んで、スパーグランドシニア、グランドシニア等々に分けた
      競技会が必要になるでしょう。自分の事のみを考えていては、FFは滅び去る運命
      にあります。まず、役員の若返り、次に競技者の若返り、支援者の取得、飛行機ウ
      イドウは廃止して、特に家族の支援を貰いましょう。それと競技規定の合理化が議
      論されました。

 お知らせ                                                                  

■  03年フリーフライト日本選手権の案内                                     D
1.主    催  日本模型航空連盟
2.競技種目  フリーフライト  F1A、F1B、F1C
3.開催日時  2003年11月1、2、3日(土、日、月)2泊3日  
4.開催場所  千葉県香取郡干潟町万才田んぼ
5.宿泊場所  千葉県海上郡飯岡町・国民宿舎  飯岡莊
6.参 加 費  選手−21,000円/1人(宿泊費、夕食を含む)
              助手他は8000円/1人   朝食、昼食は各自が準備する事。
7.申 込 み  港区新橋1-18-2日本航空協会内・日本模型航空連盟
8.申込期限  03年9月10日(消印有効)
9.そ の 他  詳細については、日本模型航空連盟FF委員会、又は各クラブ事務局にお
              問い合わせください。又は、インターネットホームページ・「ランチャーズ」
              をご参照ください。
10.           是非見学にお出でください。


 FF文化サロン                                                     

■翼端投HLGのスパン、重量についての計算お遊び         2003.9  石井  満
  最近では嬉しいことに沢山の翼端投HLGが見られる様になりました。流行はスパン700前
  後の比較的小型のものが多いようです。競技用としては確実性、壊れ難さなどが求めら
  れるので、大型よりも小型の方が選ばれるのでしょう。そこで、より高性能と思われる
  大型機に挑戦する意味が在るのか無いのか、大型にするとどのぐらい性能が上がるのか、
  について確かめる為、4種類の大きさのHLGを簡易性能計算プログラムでラフに比較して
  みました。この結果を見て、どのぐらいのスパン、重量が良いのか、自分の競技スタイ
  ルを考えながら、眺めてみて下さい。
    モデル         T               U               V              W
    スパン       700mm     1000mm     1300mm    1600mm  
    コード         90mm       110mm       125mm      140mm  
    ※初速         30m/s     37.5m/s        45m/s    52.5m/s  
※  初速については回転アーム長に比例して速度を変えています。実測はしていませんが
    大きくは外してないと思います。
  まず解かるのは、スパンが大きいと滞空時間が長くなります。スパン700では、最高55秒
  スパン1600では110秒。やはり初速の差が大きく影響しているようです。重量はスパンご
  とに最適値があるようです。スパン700ではなるべく軽い方が良く、1,300では200gぐら
  いで最高タイムが出ています。野球投げと違って、重量による初速変化の少ないこの投
  げ方では、機体が重いほど高度を取ります。上昇中は重いほうが空気抵抗による減速率
  が小さいため、長い時間上昇し、結果高度が上がります。軽い機体ではすぐに減速して
  しまい、高度が取れません。滑空が多少悪くても、ある程度の重さがあった方が良さそ
  うです。機体の壊れ難さも重要な課題です。重い機体ほど地面との接触で壊れる可能性
  が大きくなるので、あんまり重くするのも考え物です。軽い方が上昇から滑空への高度
  ロスも少なく、その成功の確率も高いので、このグラフでの最適重量よりも幾分軽い方
  が実際には良いでしょう。スパンが大きいほど問題となる、投げ直後のヨー回転による
  減速は考慮していませんので、大型の物は多少差し引いて見る必要があります。

  高度と重量の関係は面白い結果となりました。高度はスパンに関係なくほぼ重量に比例
  して高くなるようです。投げ失敗による機体破損を避けるため、ある程度の高度マージ
  ンは取りたいところです。35mぐらいあれば地面とのクラッシュも起きにくくなると思
  われますので、150g〜200gぐらいあった方が良いようです。
  まとめると、必要な高度は機体重量でかせぎ、目標タイムはスパンで決めるといった考
  へ方が出来るようです。工作が楽な(従来工法)で投げ失敗のダメージが少ない実用性
  を選ぶなら、スパン1000mm、80gで高度25m、70秒の線を狙うのが良いでしょう。
   一発高性能と考えるなら、スパン1600mm、200gで高度40m、100秒を狙ってみては
   いかがでしょうか。私としてはスパン1300mm、150gで高度35m、85秒といった線で
   新作を作ろうと思います。上手く行きますやら・・・。
   たまにはこんな計算遊びもおしろいでしょう。
  注)今回の数値結果は多くのデータを推測で与えていますので、精度は期待できません。
      だいたいの傾向を視覚的に捕らえた物とご理解下さい。

■  翼端投げHLGの上反角について【必須条件4ヶ条】
    2003/2号で下記に発表した試作機を下記の如く改修した。

1.テスト機の諸原
  スパン890mm、最大翼弦120mm、翼厚5.8%、主翼面積8.45dm2、
  アスペクトレシオ9.4、胴長720mm、機体重量130g、翼面加重15.4g、
  主翼は比重0.13程度のバルサ無垢翼(57g)、投げるときのハンガーピンは竹ひごから
  カーボン棒に改良。竹ひごでは強烈な振回し力に破壊したからである。胴頭部は檜(10×5)
  骨組みベニヤ(厚1mm)張りとし、厚12mm、高さ30mmとし厚さ8mmの機械式タイ
  マーを収納した。墜落する度にゴミが入って止まるので、タイマーの上に可動式プラス
  チックカバーを付けた。後部はカーボンパイプ4φとする。水平尾翼はテスト機なので
  2mmの板とした。垂直尾翼は旋回調整を楽にする為にネジによる可動ラダー付きとし
  た。デサマは主翼ホップアップとする。翼面加重が大きいので力を入れて投げるとすご
  い高度を取る。但し、墜落時のダメージも大きい。  

2.今回の改良点
  これまでは何回投げても上手く返らなかった。そこで条件を整理して問題点は上反角不
  足と結論した。そこで10%以下だった上反角を13%に増やした結果すんなりと返る
  様になった。
  調べてみるとゴールドラッシュの上反角は13.7%ある。石井満氏によると上反角を
  増やすと上昇が悪くなるので出来るだけ少なくとの意見である。一考の余地はあるが、
  高度がとれても機体が返らなければ無意味なので、まずは多めの上反角は必須であると
  考える。

3.翼端投げHLGの必須条件・4ヶ条
  これまでで解った翼端投げHLG設計の必要条件を以下に整理する。
    @一般FFHLGの1.3倍の垂直尾翼面積
    Aプラスの主翼向角(1〜2度)
    B13%以上の上反角
    C右旋回滑空(右手投げの場合)
  これらを守ると「翼端投げHLG」は決して難しくはない。取得高度や微妙な「返り」
  の問題は各論で個々に解決する点はこれまでのHLGと同様である。上記の4つの条件
  を満たすと、槍投げ型HLGHと同様に誰でも翼端投げHLGを競技に使えると断言す
  る。

4.機体の大きさは・・・・・
  今回も石井君が提案している「大型HLG」の最適サイズはいくつか。バルサで作る場
  合は1,200mm程度が最大サイズだと思う。且つ、翼厚は8%以上が望ましい。何
  故ならば、大型のHLGを投げる為のハンガー部分(翼端部)の強度か確保できないか
  らである。1500mmの大きさを狙うとすれば、国内級のカーボン製グライダー翼(
  国内級のが余っている)の使用を推薦する。私も一枚あるので、その内に作ってみる予
  定である。しかし、でかいよなー・・・・・。

5.1500mmスパンの試作機
  さっそくカーボン翼G級グライダーを改造して翼端投げHLGを試作した。機体の諸源
  はスパン1,490cm、翼面積18.8dm2、機体重量240g、翼面加重15.4
  gである。
  改良点は向角を1度に減少、翼端部のハンガー部分をカーボンで補強した。翼のジョイ
  ント部分、水平部分を輪ゴムで相当に強く引っ張っても振り回すと翼が抜けてしまい飛
  ばない。そこで主翼後縁部のジョイント部分に水平方向のゴムフックを付けたがこれで
  も翼が抜けそうになるので、更に粘着テープで貼り付けた。これを振り回してみると、
  翼が怖いぐらいしなって振り回しは難しい。しかし、どうやら飛びそうである。しかし、
  重さと言い、大きさと言いこの辺りが限界と考える。これまでのテストでは水平尾翼が
  胴体軸方向に横回転して飛ばなかった。次回は尾翼ヒンジを改良してテストする。新作
  を作る時は、翼を厚くして上下方向の強度を持たせて、尾翼ホップアップ機構を工夫する
  必要がある。

■  競技用室内HLG・[壇上設計]の補足・・不足・・・       平尾・・・・・F
  前回の記事は全く間違っていて済みません。間違いにはプリントを終わってから気が付き
  ましたが、エイヤッと発送してしまいました。ランチャーズホームページの室内機の記録
  発表の直後に送ってきたので、当然室内機と考えました。図面を貰ってから書きながら室
  内機にしてはやたらと重いので変だなーと思っていました。しかし何でこんなまぎらわし
  い時期に屋外機などを送ってくるのかと言い訳タラタラですが・・・・すみません。
  設計者は「飛ぶよー」とコメントしているので、優勝を狙う人は、ぜひ作ってみてくださ
  い。

■  PLG競技への提案                                平尾・・・・・G
  最近、近所の海浜幕張駅近くの公園(200mの円形)で模型飛行機を飛ばす様になって
  から、初心者対策用としてPLGを始めました。とうぜんながら、初めに石井英夫氏の
  「トレーナー」をテスト用に作りました。機体を持って調整の為に近所の広場に行きまし
  た。ここの広さは野球用のコートが4面入る広さです。打上げのゴムはランチャーズ簡易
  規定の1.5gです。
  手始めの上昇テストでは問題ありませんが、最終段階になってゴムを目一杯引く様になる
  と、すごい高度で、ここでは飛びすぎて調整が出来ません。滑空調整はしていないにもか
  かわらず、森に飛び込んだり、会場を遙かに外れたりして、滑空に入れるとまず無くなる
  事請け合いです。公園で楽しむにはこんなに上がる必要があるのでしょうか・・・  
  そこで・・・・

1.初心者は特に機体を無くしたくない
  幕張公園には初心者の方が数人来ていますが、機体を作るのが難しいらしく、大部分小さ
  な機体です。機体はおおよそ、スパン150mm程度の物で練習を始めます。また、翼は
  板のままで翼型をしていません。アドバイスする側としては、この機体を改良しする手始
  めは、翼を翼型にすることから初めます。現場で調整しながら、紙ヤスリでごしごし擦っ
  てしだいに出来上がってくると、当然飛び始めます。アドバイス側も飛ぶところを見せた
  いので、ガンガン打ち上げます。
  すると、完成と同時になくなる確率が高いのです。初心者にとっては飛ぶ機体は大切です
  から、結局は無くすのがイヤでそれを飛ばさなくなります。これでは意味がない。
  又、現在の1.5gのゴムではバルサの機体が捻れるほどの速度で上昇します。当然、機
  体の作り方も難しくなるし、ましてや初心者にとってはなおさらです。そこで打ち出し速
  度を減らす為に、ゴムの量を減らして気軽に飛ばせる様にしたいのです。    

2.PLGの打上ゴムは1gにしたらどうか
  1.5gのゴムを目一杯引くと、機体がすごい高度まで上がりで目視が困難です。これで
  はよほど広くないと飛ばせません。こんなに打上げなくても競技は出来るのではないでし
  ょうか。PLGの魅力は簡単に狭い場所で楽しめ事ではないでしょうか。1.5gのゴム
  のままでは、たいていの公園を飛び出してしまい競技が出来ません。
  やってみて驚いたのは、HLGとの高度の差です。如何にR数が違うとは言え、HLGと
  PLGの差がありすぎます。方や、50秒ギリギリ、他方は60秒超は、機体の大きさか
  ら一見互角の様ですがこの10秒さは大きい。特にパチンコの場合、今のゴムで本気でや
  ると5maxは固いでしょう。そのことはこれまでの記録を見れば明白です。HLGの場
  合、コンデイションが良くない日は惨めです。しかしパチンコの場合は、下降気流さえ外
  せば、打上の確実性と高度でmaxが出る筈です。パチンコの小型な機体回収の難易度と
  記録会の効率を考えると1gのゴムでも十分ではないかと思います。

3.スティックはどうするか
  1.5gゴムの場合、恐ろしく長いスティックを使っている人が居ます。その原因はゴム
  が長すぎて引ききらないのでスティックを長くしているのです。ステイックが長いので打
  ち出す時の方向がブレて不安定で怖いほどです。1.0gにすると、このスティックが必
  要ないほど短くなります。    アメリカのAMA規格では4インチ(約10cm)ときめ
  ています。危険性から言っても妥当な値だと思います。スティックが短いとゴムの量を増
  やしても余り有効ではないので、それでも良いのですが・・・。道具も簡便になりますし、
  本気でサーマルハントが必要になるし、一席二丁だと思いますが、如何でしょうか・・・。

■  カーボン補強ロングスパン・F1Hのメモ                平尾・・・・・G
    さて、機体が完成してテストを重ねながらの報告です。

1.サークリング性能について
  ほぼ無調整でまっすぐ上がってきたので機体の狂いは無いようでした。アスペクトレシオ
  19とロングスパンであるにも関わらず、サークリング性能は抜群です。大変運動性能が
  良く、機体が後ろを向いていても、索を引くとクルリと旋回して付いてきます。又、心配
  していた翼の強度も問題なく、3.2Kgの引抜強度では簡単に抜けてしまうので、もう
  少し上げようと思います。  

2.翼ジョイントの強度について
 2-1. 翼全体の強度は持ちそうですが、ジョイント部分は芋付けでは無理のようです。すで
      にDボックスの付け根の部分のバルサがつぶれてきました。そこで、縦方向の補強材
      (カーボン材)を入れると共に、ジョイント補強材として厚1.5mmのベニヤをへ
      の字型に成型してエポキシで接着しました。それで、Dボックスのスパー同士が応力
      を伝える様になりました。しかし、これでも持たずカタパルト離脱時に肩翼が剥がれ
      て分解しました。しかし、グライダーは片翼1/3がないままに綺麗に滑空してデサ
      降下しました。これには参りました。
 2-2. 後で考えてみると1.5mmのベニヤ程度での持つはずはなく、ガラスエポキシ板(
      プリント基板用厚1.5mm)があったので、ジョイント補強用に切り出して接着、
      且つ、Dボックスの翼下面側にケブラー+カーボンシート幅15mm×厚0.1mm
      をエポキシで接着しました。ここまで補強すると翼端から墜落した場合のダメージが
      大きいのですが、やむを得ないと覚悟を決めていました。しかし、実際に道路上に墜
      落してもジョイント部は壊れず、紙が裂けたのみで無事でした。又、離脱時に下を向
      いてそのまま田んぼにドスンでも、ジョイントのみならず翼は全く異常なしですので、
      大破は余程のことがないと起こらないようです。今後は精々サークリングをドジラナ
      イ様に努力します。

3.曳航時のテンションについて
  今回のロングスパン機は、1,470mmスパンのグライダーと翼面積が同じにもかかわ
  らず引く力が相当に違います。現在の細めの曳航索では、手が切れそうで怖いぐらいです。
  F1Aとまではいきませんが、強引に引くと怪我が怖いのと、索が切れるのではないかと
  思うほどです。
  こんな事はこれまでの1,500mmスパンの機体ではありませんでした。現在のフック
  の引抜きは約4kgにしていますが、簡単に外れるので更に強くする必要があります。

4.反省
  今回の機体の翼は、重量を気にしすぎて全体に強度不足の印象です。現在までのテストで
  は問題がないのでこのままでも良いとも思いますが、反省として次回はDボックスをもっ
  と丈夫に作ること。まず内外翼とも、スパーを上下側面と全面カーボンスパーをケチらない。
  次に、ジョンイント部分はDboxのカバーシートをダブルにして応力がキチンと伝わるよ
  うにする事。そうして完成重量は90g程度を目標にすれば問題無しでしょう。

5.滑空性能は・・・・
  ロングスパンでも運動性は良好で、且つ伸びのある滑空をします。問題は性能がどの程度
  良くなったのかですが、未だ、本格的なテストまで行かないので解りません。いずれ定量
  的な把握をしたいと思います。

■  FF模型クラブ機関誌の紹介                         平尾・・・・・E
  FF界にはいくつかの機関誌があります。世界を網羅するのは難しいので、日本における
  「機関誌」についてご紹介します。
1.YSF(代々木スカイフレンズ)の機関誌  「YSFだより」
  関東では多分選手会と並んで日本最古のクラブでしょう。東京の代々木公園(日本航空
  発祥の地)で集まったFF仲間がまとまって出来たクラブですが、現在は代々木公園が
  使えませんので、正月のみ発祥の地に集まって「初飛ばし」と鍋を囲んでの新年会があ
  るようです。
  会報は主として勝山さんが編集兼主筆として季刊紙として発行しています。ほぼB5版
  6ページが定番です。勝山さんの本職がカメラマンなので、必ず奇麗な写真が載ってい
  ます。記事は競技の報告が主ですが、その他に機体の製作記事やFFトピックス、会員
  紹介等様々な工夫を凝らして、マンネリの打開を策していますが、なかなか難しそう。
  ガンバレ「YSFだより」。購読するにはYSFの会員になると良いでしょう。

2.東京選手会機関誌  「東京模型飛行機選手会会報」
  東京選手会はいかにも競技が強よそうな会名ですが、現在は「並み」です。YSFみた
  いに専用の飛行場(現在は大宮田んぼがそうだとの話)があって出来たクラブではなく、
  関東に住む競技に出たいFF愛好者が集まって出来たようです。大所帯ですが次第に高
  齢化が進んで苦戦しています。会報は櫛引さんが編集(主筆)をしていて、日本で唯一
  「フルカラー」で出来ているのが特色です。聞くところによると毎回パソコンのプリン
  ターで印刷しているとのことで、全部印刷するには1、2日かかっていると思います。
  当然プリンターのインク代も多額で、誠に贅沢な機関誌です。内容は主としては競技の
  報告ですが、その他様々で意外性?がとりえです。
  枚数はA4版20ページと多い方です。発行時期はFFスケジュールのタイミングを考
  えているようですが、実際は櫛引さんの体調の良い時に出す様で年2、3回です。機関
  誌の状態で櫛引さんの健康状態が推定できます。購読は会員になる事。

3.中部フリーフライトクラブ会報  「CFFCN  EWS」
  名古屋を中心に活躍しているクラブの会報で、相当本気で発行しています。CFFCも
  伝統のあるクラブですが、会員数は関東よりは少ないようです。競技には強く「ゴムの
  名古屋」の印象が強烈です。機関誌は1998頃から出始めて、編集兼主筆は最初は西
  沢さんでしたが、現在は小池さんに代わっています。印刷、発送は別な人がやっている
  のは羨ましい。しかし、出来てから部数を印刷して、発送する人に送るのも面倒な気が
  しますが・・・。
  ゴム動力機の技術的記事が多く、会員以外の購読者が多いのが特色です。老舗だったK
  FC機関誌が無くなってから、「CFFC  NES」に乗り換えた人が結構いるようで
  す。但し、小池さんになってから難解(小池さんは仕事が飛行機関係)になって、数式
  が並ぶと読み飛ばしてしましいす。又、羨ましいことに投稿者が多く(ランチャーズは
  独善的すぎるのか・・・)記事は豊富です。翻訳物も多い方でしょう。サイズはA4版
  20ページ程度と頑張っています。購読会員は年3000円です。

4.その他では、横浜の瀬谷、名古屋のピーナッツスケールなどのクループで機関誌を出
してる様ですが、詳細が解りません。

5.今後の機関誌のあり方
  会報「ランチャーズ」は発送し始めて27年ほどになるかと思います。途中1年ほど休
  刊がありましたが、ここ十数年は好調で月報として頑張っていましたが、高齢化と経済
  的理由によって、昨年より隔月発行に変更しました。ランチャーズはHLGの集まりな
  ので記事もHLG中心になるのやむを得ないのですが、許される範囲でその他の記事も
  載せています。
  東京でも3誌があますが、これが一本化出来ないものか。数年前に統合の意志を打診し
  たことがあります。しかし、意見がまとまらず現状のままです。高齢化が進んでやがて
  は、本気になって統合を考える時が来ると思います。しかし、商売ではないので、各ク
  ラブそれぞれが今後どうするか意見統一をする必要があります。海外でも機関誌があり
  ますが、組織がしっかりしていのは問題ありませんが、個人的な趣味としての機関誌等
  はその人如何で排紙なる可能性もあり、難しいところです。