”ランチャーズ”会報・2000−5

* 5月ランチャーズ記録会は21日(日)は瀬谷(HLG)とグリーンパーク(PLG)です!  

 ランチャーズは飛行機のみが趣味で、花見もせずに桜の季節もおわりってしまったなんて事のない様に、皆さんこころしましょう。これからツツジ、さつき、ぼたん、菖蒲、バラと花の季節が続きますが、花をけ飛ばさないように飛ばしましょう。今回からHLGは瀬谷、パチンコはグリーンパークで記録会です。

* ランチャーズ・サロン

1.HLGの規定について

ランチャーズのホームページで、HLGの規定案を掲載しておきましたが、固定翼のことのみに意見が集中していました。この案は吉岡さんの下書きを基に作ったもので既に足かけ3年にはなろうかと思います。世界的に見てもHLGの規定はほとんどなく、この案が具体的にははじめての規定案になります。

完全固定翼の場合のHLGは規制が無くても、人間の投げる力で巧みに規制されて滞空時間が1分弱で収まるので簡便に楽しめて、且つ、結構ホットな競技が出来ます。

 滞空性能は少しずつ伸びていますがそろそろ限界で、軽量化も限界でこれ以上軽くすると投げるとき強度が不足するし、滞空性能1分を超えるのは無理かなと思います。

 今後、工夫しがいがあるとすれば、折りたたみ翼かもしれませんが、どうでしょうか。

2.競技会雑感

 二宮賞、板倉の競技会についての報告は、他の機関誌でされているので、敗れし者はいかに闘ったかについて、2題ほど。

1)板倉大会は初め雨でした。その場合何が起こったか。

  第1ラウンド、発航はまずまずで高度も取ったので一安心。しかし、水滴でタイマー のセットピンの動きが悪くなって、初期に動作させるオートラダーのフックが外れず  (又は跳ね返って再度引っかかったか)滑空に入っても直進。雨の中なので遙か彼方で 視界没、第1ラウンドで脱落。セットピンにはスプリングが必要!

2)発信器の怪

  発信機の調子が悪く電池を出し入れしてどうにか、受信機に電波が入りだして発航。  2ラウンド目、落下地点の確認があまく機体が見つからないので、発信器を頼りにし たが電波が入らない。結局機体は未発見のまま、3ラウンドをふいにしてピットに帰っ ていると、何と発航地点方向で電波が入る。さては、誰か回収してくれたのかと、勇ん で帰って見たが機体はなし。さては同じ周波数の発信器があるのかと調べてみたら、間 違っていたのは受信周波数。なぜか自分のではない周波数になっていた。受信機を調整 してテストすると発信器は2個共、正常に動作する。

  では最初のテスト時違う周波数でなぜ上手くいったのか。最初自分の発信器をテスト している時偶然に、違う発信周波数の人がスイッチを入れたので鳴ったのです。  

  そこで自分のがOKと判断してしまったのですが、こんなことってあるのか?何が起 こるか解らないのが競技ですが、疑うべきは自分のアタマか?

           「プロペラとゴムの話」−追補          石井英夫 

           ゴム特性「追補」と動力ゴム事情        

 本原稿の入稿後に、また、ゴム特性測定依頼がありました。YSF岩田氏からの供試品4点です。連載に間に合いそうなので、第4図として測定データを追加します。

 TANUゴムの初期のものが交じっていますが、これでみますと、1995年製の時点において、TANUゴムはすでに特性の最高レベルに達しているものがあることがわかります。また同時に、モーターレーシングの世界などと違って、新しいパワーソースが必ずしも性能優良というわけではないこともわかります。第4図の1例については、伸び能力、中域の張力特性の厚み、それから特に引き伸ばし中のゴムのダレ、ヒシテリシス特性が傑出している印象を受けました。ただこのサンプルでは、たまたま厚みが1.2ミリと他のサンプルに比べて厚いので、その分割り引いて判断しなければなりません。

 TANUゴム時代になってのゴム特性測定は、今回のものを合わせると10例ほどになりました。そういうわけで、いま1999年末の時点、これまでのゴム特性測定経験を踏まえて、動力用ゴム事情の一応の総括を行ってみたいと考えます、

            ヒステリシス特性の向上がめざましい

1.TANUゴム時代になって、それまでのTANゴム時代に比べると、動力用ゴムの蓄 積エネルギー能力はいちだんと進歩向上を遂げました。大まかな推定ですが、TANU ゴムの優良品では、TANゴムに比べて25〜30%性能向上しているものと思われま す。40グラムから35グラムへの減量などものともしない昨今のF1B機の飛びぶり も、このことから納得できます。

2.著しい変化は、とにかく良く伸びるようになったことです。実技的には、ゴム巻き数 が増えたということ。動力バッテリーでは、弾性変形することによってエネルギーの蓄 積・放出を行うわけですから、変形量の大きいのがすなわち良いゴムのわけです。

  TANUゴムの良品では、伸び率10倍を超えるものに何例か出会いました。しかし、 小生の計測経験の限りでは、伸び率10.5倍のものが最高で、一部選手間でウワサさ れる伸び率が11倍を超えるものにはまだ、出逢ったことがありません。いずれ伸び率 11倍を超えるゴムが出現するのではないかと、楽しみにしているのですが。

3.伸びが良くて、しかも中域の張力特性の厚味もなかなかと、TANUゴムの特性は良 いことずくめですが、それにも増してTANUゴム良品の一大特徴は、ヒステリシス特 性がめざましくよくなったことです。つまり、引き伸ばしたまま待っている間の張力の ダレが少ないということで、これはゴム特性が理想の弾性体により近くなったことを意 味します。もちろんゴムの計測では、極限近くに延ばしての計測中にみるみる計測値が 下がってしまうという経験がすくなくなりました。このことは、ゴムを捲いて、気流読 みなどで待ち時間が勝負のゴム動力機競技には、願ってもない福音と考えます。

  最近の競技テクニックでは、待機中に追い捲きを加えることが常識化しつつあります が、この先更にゴムのヒステリシス特性の向上が進むようだと、追い捲きの有効性は次 第に薄れてゆく方向だろうと予測します。また、ゴム特性計測値の信頼性向上につなが ることももちろんです。

4.そうはいっても、ゴムを捲き上げたあとで待機中に蓄積エネルギーが目減りしてしま うゴム弾性のヒステリシス特性はゴム動力機屋には悩みのタネで、室内測定でもサンプ ルによりバラツキがありいろいろです。小生のゴム測定データでいちばんの弱点が、こ のヒステリシス特性についての定量的データを欠いていることで、室内測定データと実 飛行の間に違和感があるとするなら、ひとつは、ヒステリシス特性データを欠くことで はないかと、実は以前から自覚しています。

  本来ならば、引き伸ばしたままの状態で、1分後、5分後、10分後の張力データを 添えるのが特性データとしてはより完全な筈ですが、現実問題としてそれをするのは設 備も手間も大変です。とはいえ長らく気になっていることなので、いずれ機会をみて何 例かのサンプルを選んで、ゴム張力特性の経時変化を調べてみようと考えています。 

5.ヒステリシス特性のほかにもうひとつやっかいなのが、実際のゴム巻き時にゴム切れ に強いゴムかどうかの判断です。これがまた室内テストでの判定が難しい。

  小生の計測ノートには、サンプル毎に、ヒス大、ヒス小などの他に、1度切れ、2度 切れなど添え書きのあるものが交じっています。第4図でいいますと、@がヒス小、厚 みに注意、AとBが1度切れとあります。これは公表図には記入してはいませんが、A、 Bのサンプルでは計測中にゴム切れして、また別の素材でブレークインからやり直した ということです。

 計測時のゴム切れのほとんどは結び目部分からで、これがゴム特性によるものか、結び方の不備によるものか判然としません。しかし、なかには2度3度と重ねて切れて、計測を断念したくなるものもあり、またブレークイン中に鋸歯状の小さなギサギサが目立ってくるケースもあります。明るいクリーム色の最初期のTANUゴムのなかに、信じ難いほどボロボロ切れ易いもの(しかし特定的には優秀)に出会ったことがありますが、総じて最近のものは、耐久性のほうでもずいぶんタフになりました。国際級とは違いますが、小生は今でもクープ級や1/2クープ級(ミニクープ)などをときどき飛ばしていて、最大級捲き数近くの5回や10回の使用には平然と耐え、ゴム束を入念に調べても小さなキズひとつ見つけられないという経験をしばしばしています。

 

           ゴム巻きのテクニックについて

最後がゴム捲きのテクニックの問題。ゴムバッテリーに最大エネルギーを注入するためには、どう捲いたら良いのかの問題ですが、こればっかりは選手各自の流儀、好み、実技テクニックの功拙の領分で、小生に云々できるところではありません。

 しかし、1升ビンには1升以上の酒は間違っても入らないという昔からの理屈通り、ゴム特性を踏まえて原理的な見地から、こうやるのがたぶん最善ではないかと、一般論なら言えそうです。

 その原理というのは単純で、@事前に充分なブレークインを行うこと、これはゴム素材をより完全な弾性体に近づけるためですが、もうひとつは Aゴム巻きはまず極限までゴムを引き伸ばしてから巻き始めること、以上の2点です。

 繰返しになりますが、弾性変形、つまり伸び縮みによるエネルギーの蓄積・放出が仕事のゴムバッテリーでは、直線に伸ばされるのもらせんに捲かれるのも同じこと、ひたすら伸びることしか、することがありません。それなら、かりに伸び率10倍のゴムの場合なら、各部分を均等に10倍にまで伸ばしてやることが最大の仕事をさせることになる理屈です。そうして、いかなるウルトラ・テクニックを弄しても、伸び能力の限界を超えてエネルギーを蓄えることが不可能なことは明らかです。

 伸び率10倍のゴムなら、巻き始め前に伸び率の限界に近く、少なくとも9倍にまでゴム束を伸ばす。この時点で、ゴム素材のどこにもアソビはなく、伸び率9倍相当のエネルギーが注入されたことになります。あとは巻き数に応じてどう縮めるかですが、テクニック的に難しいのは、たぶんここだろうと思います。

 どういうものか、ゴム動力機屋サンのなかには、巻き始め時のゴム束伸ばしをコワがる人がいますが、意外なようでも最初にゴム束を限界まで伸ばしてしまうのが、ゴム巻きの全断を防ぐ、いちばんの安全策なのです。 最初に限界いっぱいのストレスを与え、あと捲き進むときに部材間に不要なマサツを強要しないという捲き方ですが、小生この捲き方でやって昔も今も保護チューブなるものを使っていません。全断というものをほとんど経験しないからですが、それはまだ捲きが甘いせいだろうといわれてしまえばそれまでですが。                          1999.12.20 完

 2000年ランチャーズ・HLG・4月記録会報告           吉田利徳

この春最後の大宮田んぼでの記録会は、24人の参加で盛り上がりました。開始直後は弱い北風でしたが、30分後には南風に反転してしまいました。HLGは90秒MAX、10投中の5投で始めたのですが、ちょうど90秒で落ちる所が北の土手の向こう側で、野球大会の会場にあたってしまい、選手諸君からひんしゅくをかってしまいましたので、すぐに南側の道路向こう側に移動して競技再開するというハプニングがありました。

上手い人はデサマ落下した重りを主翼に乗せて、さらに上空に飛行機を逃がしていましたが、残念ながら回収できなかったようです。

 さて、本日の結果は、1位はオールマックスの加藤選手、3MAXを取った後は膝を休めながら、後半に2MAX、10投目はお休みと、まだ余裕を見せていました。

 2位は1秒差で追いすがる富谷選手をMAXで振り切った井村選手、この頃やたら強くなってきた富谷選手は3位、平岩、大八木、吉田選手は定位置か。7位は参加2度目の横関選手、337秒は立派、もっともっと強くなりそうです。

 8位は吉敷選手、花粉症と風邪で実力が発揮出来ず。記録会の出席率はトップクラス

(但し、競技には年3回ぐらいしか参加しない)の岡田選手は326秒の9位、5秒差の斉藤選手は10位、11位の城田選手、投げ、返し、滑空と全て上手く決まっていました。 次回が楽しみです。12位の宮辺選手は大型が好き、井村機が合っていた様に思いますがどうでしょうか。13位は小川選手、1番機が練習中に視界没となり元気をなくしました。今年は確実に効くデサマの研究をお願いします。

 14位は大塚選手、初参加で225秒は立派、グリーンパークで全日本と湘南のチャンピオンに指導を受け、短期に急成長し、本日のデビューとなりました(大塚さんは若いお嬢さんで美人です。次回も参加したいと意欲的です)。石井選手は新作の大型折りたたみ翼機で挑戦、高度取得に意欲的です。平尾さんは肩の調子が悪いながらも、愛機「ファントマ」を低高度で38秒も浮かせました。皆さん、1機作ってみませんか。いずれ「ファントマ」大会なども企画したいものです。

 

  HLG・4月 90秒MAX10投中5投

 2000年4月9日 大宮田んぼ・曇り晴れ・9〜12時・風2〜5m 

NO

氏 名

10

F1

F2

合 計

 1

加 藤

90

90

90

61

39

29

22

90

90

-

   

450

井 村

90

90

43

39

90

59

41

32

82

90

   

442

富 谷

81

40

72

28

90

90

90

90

30

40

   

441

平 岩

30

50

29

48

90

 8

48

38

62

90

   

340

大八木

61

43

22

37

53

90

29

90

26

45

   

339

吉 田

29

16

34

26

43

42

90

90

51

66

   

339

横 関

30

90

34

65

10

 9

43

60

 6

79

   

337

吉 敷

27

35

90

45

57

51

22

73

57

 3

   

328

9

岡 田

38

76

58

25

60

90

31

42

30

24

   

326

10

斉 藤

46

90

37

36

58

26

35

23

25

90

   

321

11

城 田

35

60

49

31

30

 4

42

38

54

59

   

264

12

宮 辺

29

 8

50

13

30

54

36

64

33

35

   

239

13

小 川

49

90

 9

35

 4

15

30

24

30

14

   

234

14

大 塚

28

23

17

43

47

18

32

 9

30

73

   

225

15

石井満

19

17

57

11

18

             

122

16

平 尾

 9

27

15

20

38

             

109

 2000年ランチャーズ・PLG・4記録会報告 

 PLGは石井英夫選手が2連勝、すでに静気流で73秒をクリアーしているので、楽勝か。2位は佐藤さん。PLGでは若手の斉藤さんが3位、2MAX取るも、後がうまくまとまらなった乙川、西原さん。6位加藤さんは少しづつ体力が復調している模様。戸谷さんは今回初参加、いつもの森林公園と少し勝手が違うようですが、これからも参加をお願いします。5月の瀬谷にはパチンコの達人がたくさんいます。初心に返ってPLGK基本をもう一度確認しましょう。

  PLG・4月 60秒MAX10投中5投

 2000年4月 9日 大宮田んぼ・曇り晴れ・9〜12時・風1〜3m 

NO

氏 名

1R

10

F1

F2

合 計

石井英

60

50

36

60

60

60

           

290

佐 藤

53

35

28

60

40

37

 7

25

45

15

   

235

斉 藤

43

45

36

44

33

60

25

32

26

23

   

228

乙 川

60

40

29

13

27

60

36

25

12

25

   

224

西 原

29

15

 4

17

 5

32

60

60

40

18

   

221

加 藤

20

40

25

15

10

51

19

32

26

32

   

181

 7

戸 谷

25

 4

14

19

21

17

25

22

25

40

   

134

* ランチャーズ強制?合宿のお知らせ

    連絡先 ランチャーズ編集局

1.開 催 日 平成12年7月29,30日(土日です)

29日午前8時頃〜30日午後1時

2.場   所 千葉ニュータウン、牧ノ原駅側の公園(出来たばかり)

          注:HLGには調度良い広さ、グライダーもOKです。

          都合によっては、茨城県桜川の草原も可

3.宿泊施設  本埜村老人福祉施設「もとの荘」

4.参加費用 5、500円(宿泊費夕食代を含む)60才以上は500円引き

5.申込み等  申込みはハガキ、Eメール、又は電話で。

          7月24日(月)締め切り

5.その他 競技はなしで練習のみ、但し、希望が有れば記録会等開催は可  

  注:一部変更のある場合は、ごかんべんください。