◎ 名前:趣味際人:大村和敏
◎ 作成日:2008.4.25(金) 08:51, 61.210.100.122

  「スケール・フライト」について     以前内容以後内容    

スケール・フライトということ。
「実物らしく飛ぶ」ということを定量的に定義すると、「空中の運動の距離や速度がスケール(縮小)比に一致する」と言うことだと思います。
1/5のスケール機ならば、最大速度・最少速度・上昇率・旋回半径・宙返り半径・ロール率・離着陸距離などが、すべて実物の1/5にならなければならない訳です。
結論として、これは不可能です。
相似則(長さが1/nのとき、面積は1/n^2、体積・重量は1/n^3)で考えると、
スケール機は馬力荷重は実物と同じ(エンジンの容積比)になるのに、翼面荷重は1/nになります。
模型機の場合、構造やエンジンの型式が違いますから、それぞれを相似則から動かすことが出来ますが、それにしても上記の運動がすべてスケール比になるような組み合わせは出来ません。
例えば、翼面荷重が小さくなり、馬力荷重が変わらないとすれば、昔から見られている周知のことですが、上昇角度は実機より大きくなります。

定量的な競技種目であるフリーフライトの世界からRCスケールを見ると、上記のような構造的な矛盾・難問を抱え込んだ非常に難しい種目に見えます。
現実のところは、この矛盾を、実物より有利な仕様(恐らく、相似則よりも軽く強力に造ることが出来る?)と、その利点を生かした操縦技術で、
「実物らしい」飛行が行われていて、その評価のモノサシも厳密な「1/n」などではなく、アバウトな感覚に基づいているのではないでしょうか。
フリー屋的な感覚からは、定量的なスケール飛行の評価、
例えば最大速度・最少速度のスケール速度を、正確に、その飛行にふさわしい姿勢(機軸の水平角など)で飛んで見せるような採点法があっても良いようにおもいます。
(趣味際人:大村和敏)