◎ 名前:たかだ@KFC
◎ 作成日:2014.11.9(日) 10:33

  ゴムの物性の飛躍的向上について     以前内容以後内容    



日本選手権の速報をうらやましく見せていただきました。体力が伴えば参戦したいです。関西の3名の社長さんの活躍は素晴らしい。KGNさんは念願の優勝、おめでとうございます。いつも忙しく、競技会の前夜や最中に仕事に引き戻され実力が隠されていました。IMさんはJACSの仕事が忙しく宇宙酔いのままだったようですね。

さてさて私は、生涯学習というわけで大学院の講座で学びました。
今回のテーマは、セルロースナノファイバーとはなにものか、その先端技術への応用、と言ったものでした。なかなかおもしろく我々の分野にも役立ちそうな内容もありましたので、すこし紹介します。表題、凄いでしょう。

1.植物の偉大なる構造。
初めに引用した図は、木材細胞壁の模式図です。世界最高の樹木はなんと115mもあるそうです。アメリカには80m超の樹木がわんさらしいです。新宿NSビルなんかと背を並べます。世界に誇るMORITAの梯子消防車は50mもあるそうです。こいつは撓わずしゃんと伸びる(高齢者にはうらやましい)、揺らしてもびくともしない機能があるそうです。アメリカの樹木はその努力の成果をせせら笑うようにしゃんとして立っています。その秘密はハニカム構造にあります。図のような構造が束になっているわけです。FFの主翼の桁の構造を思い浮かべました。カーボンの桁の上からケプラーの糸が巻き付いているあれです。植物も進化の初期は何重もの構造でなく単純だったそうです。進化の過程で内側に付加されて多重構造になったようです。高級釣竿のように互い違いの層が重なり外側はまた別の締め付け構造、あれそっくりですね。そんなハイテクが自然にできているのでうから驚きです。植物の中に凄い設計者がいるみたいですね。

2.セルロースナノファイバー。
こいつらを構成するセルロースナノファイバーを単離するという試みが進んでいたそうです。細胞壁中にあるミクロフィブリルを1本1本そのまま取り出そうということです。解繊処理は、化学的処理と機械的処理があります。たいそうな機械で押しつぶしたりぶつけあったりしてやります。まあ省略。

3.ホヤのセルロースウィスカー。
東北人が好むあの気持ちの悪い海の生き物です。ホヤは唯一セルロースを合成できる動物です。こういった研究の途上ですごい応用事例が生まれました。ホヤから生成されたセルロースウィスカーを補強繊維としてゴムの物性を飛躍的に向上させたのです。1995年のことです。この応用がどんな分野のゴムに使われているか質問しましたら「ほとんど汎用です」とのこと。今や使うのが当たり前でっせとのこと。FAIラバーのロットごとの試験結果はNSZ先生のところに蓄積されているはずです。はたして1995年を境にして劇的な向上があったのでしょうか?  確かに感触では昔のゴムよりエネルギー蓄積量が増えていると思えませんか?

4.リチウムイオン電池のセパレーター。
(株)日本製鋼所が開発しているのですが、セルロースナノファイバー(SA−CeNF)を超高分子量高密度ポリエチレン(U−HDPE)と複合化し、高密度、高耐熱性セパレーターの研究です。とくにシャットダウン特性が優れています。何らかの原因で電池内部の温度が130〜140度に達したときセパレーターがメルトダウンして微細孔を閉じることで熱暴走を防ぐ機能です。デンドライトによる損傷にも強いそうです。機械的、熱的特製がずいぶん向上します。考えてみれば、こんなことが解決してないのに787なんかに実用するなんて怖すぎる。

5.コンビニ袋、ごみ袋。
このハイテク技術のそもそもの始まりは余剰の超古古米の始末に困った農水省の呼びかけだったそうです。だからセパレーターの材料も古古米なんですぞ。そんなわけで上越アグリフーチャーとか白石バイオマスとか北陸の企業がかかわって日本製鋼所とは180度違って身近なものへの応用を進めています。京丹後市の指定ごみ袋とか北陸生協の買い物袋とかです。とても薄くてぴらぴらなのに破れないそうです。実物を地元の方、確認してください。つまり、とても薄くてぴらぴらだけど、とても強くて収縮率の低い模型用の被覆フィルムに応用できそうな感触を持ちました。

◆2014-11-910:37:48 たかだ@KFC − 「1995年を再開にして」、は「1995年を境にして」の誤字です。すみません。訂正よろしく。
◆2014-11-913:15:12 ランチャーズ − 訂正いたしました。

◆2014-11-1111:10:13 宇津 − 惹かれて読みました、競技には弱いが好奇心は旺盛です  
◆2014-11-1111:16:38 宇津 − 高田はかせ、新素材の研究はゴムが強く電池良くなり益々オモロイ事になりそう  
◆2014-11-1215:5:1 たかだ@KFC − F1Bのゴムを減らす建議があるそうですね。特殊な世界になるのは避けたいです。  
◆2014-11-1321:48:23 檀上 − FAIラバーの一番大きな変化はTan1から2で'92か'93頃だったでしょうか。Aug93はすでに優秀。  
◆2014-11-1321:52:12 檀上 − その次の有名バッチは97年ですが、95年頃から「飛躍的」な向上があったか?と訊かれると答えはNOでしょう。  
◆2014-11-1321:54:1 檀上 − 日本のゴムメーカに挑戦してほしいですね。  
◆2014-11-1516:49:1 たかだ@KFC − 80年代の住友ダンロップの「#No.モケイヒコーキ」の冒険、今一度、今なら。1/4やったからね。  
◆2014-11-1516:51:31 たかだ@KFC − 1/16に切っていたインドアは評価良いのに、1/4は捩じれて切れる。今なら1/16。過去なり  
◆2014-11-1516:52:53 たかだ@KFC − マックスフライはもうゴムひも入っていないのかな。#No.は生きてるのかな?  
◆2014-11-1720:51:7 ai − この投稿の参照数は多い。これを読み、楽しむ nippon人(びと) は素晴らしいですね。本にできる。  
◆2014-11-1817:2:10 たかだ@KFC − この発表者は京都大学生存権研究所生物機能材料分野」・阿部賢太郎先生と  
◆2014-11-1817:4:21 たかだ@KFC − 京都大学院農学研究科森林科学専攻複合材料化学分野・吉岡まり子先生のお二人でした。  
◆2014-11-1817:5:20 たかだ@KFC − おっと、生存権は生存圏のミスです。すいません。  
◆2014-11-277:53:16 たかだ@KFC − グーグルでこのテーマで検索するとゴムの基本が色々出てきます。ゴムって熱い世界ですわ。

■この記事へのレス(「コメント投稿」,「関連投稿」) は下の方の [Re] アイコンをクリックして下さい。
■ここに入力すると本文にコメントが付きます。
名前:
内容:
 
                返事/関連記事を書き込む 修正/削除   以前内容以後内容                  

◎関連(返事)記事⇒  リチューム電池のシャットダウン特性向上(たかだ@KFC)

 
番号題名名前作成日照合
264  模型人を購読してます宇津秀夫2014 11 163004
263  ゴムの物性の飛躍的向上についてたかだ@KFC2014 11 092701
262     リチューム電池のシャットダウン特性向上たかだ@KFC2014 12 052752
261  日本選手権のひとこま滋賀県人2014 11 092368
260  2014年F1G、H、J・HLG・LP競技会たかだ@KFC2014 11 072859
 
Previous Next Main List Home Write